徽章はバッジにしてピン

世界の徽章文化を考察するブログ。というか、バッジが大好き。コレクションを紹介したり、バッジに関する情報を考察したり。実用性皆無、実生活への寄与度ゼロ保障のブログです。

中国 文革期毛沢東バッジ(上海1月革命セットバッジ)

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「上海1月革命」毛沢東セットバッジ

毛沢東バッジを紹介するのも随分久しぶりだなあ・・・と思う。世界の徽章文化を紹介するのが主旨のこのブログも、このところ取り上げるのは日本のバッジばかり。そりゃまあ生活の場が日本国内なのでどうしようもないのだが、やっぱりたまには海外モノも紹介しないと。

実はこのバッジは日本国内で入手したものである。まぎれもなく当時のもので、「国営上海紅旗徽章廠」の紙袋に当時のまま収められていたのをまとめて入手できたのがありがたい。もちろん全くの未使用状態。

文化大革命期に起こった1967年の上海の奪権闘争から、もう55年もたつ。日中戦争どころか、文革までもが遠くなったのだなあという思いを強くする。

上海1月革命(1月風暴)とは、後に四人組と呼ばれる張春橋王洪文文革派が上海の引き起こした政治的クーデターで、以後中国全土で実権派と造反派(文革派)との闘争が繰り広げられることになる。造反派の勝利に毛沢東は祝辞を送り、造反派の活動は一層過激化した。

党の絶対的権威を持つ毛沢東は実権派を徹底批判したため、実権派の抵抗は不徹底にならざるを得ず、あっという間に造反派が全国を席巻、その成果として従来の権力機構に代わって革命委員会が続々と誕生した。

このバッジはその上海闘争を記念したバッジで、4枚組のセットバッジである。

ものの本によると、一枚目は安亭事件(1966年11月、上海工人革命造反総司令部「工総司」による鉄道遮断事件)、2枚目は「工総司」と上海市委機関革命連絡站3枚目は交通回復4枚目は生産回復を表したバッジなのだそうだ。(正直、1枚目と3枚目の違いとかよく分からないが・・・)

2~4枚目には毛沢東像の後ろに大きく赤旗が描かれているのに、1枚目だけにはそれがないのが気になった。奪権前と奪権後の違いを表現しているだろうか。

この4枚組バッジでは、上海1月革命の象徴としてたいまつが共通して描かれており、また、裏面にはすべて「毛主席万歳」「LONG LIVE CHAIRMAN MAO」の文字がある。

セットモノにしては珍しい縦長の四角いバッジで印象的なセットである。

 

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