徽章はバッジにしてピン

世界の徽章文化を考察するブログ。というか、バッジが大好き。コレクションを紹介したり、バッジに関する情報を考察したり。実用性皆無、実生活への寄与度ゼロ保障のブログです。

オリンピックメダルの劣化とは? 2024年パリオリンピックで大問題に

世界最大のイベントであるオリンピックは、実際の開催期間は2週間程度である。始まったなあと思っているうちに終わってしまうのである。なんだかんだで今回もいろんな話題を巻き起こした2024年のパリ大会は、8月11日に閉幕した。

 

その後もオリンピックにまつわる報道が続いたが、わたしが気になったのは、「メダル劣化問題」であった。アスリートにとって、最高の栄誉であり、命に代えても欲しいのが、オリンピックメダルだ。それが、授与されてわずか数日で変色劣化を生じ、問題になっているという。

パリ大会では、金メダルは、95%以上の銀に金メッキ(ただし金含有量6g以上と決められているので、相当分厚い金張りではある。)、銀メダルは95%以上の銀、銅メダルは銅に亜鉛等を加えたる銅合金であるという。

https://pbs.twimg.com/media/GUfxwUVXEAA8Uyw?format=jpg&name=medium

スケートボード男子ストリートの銅メダリスト、ナイジャ・ヒューストンの銅メダル)

 

この投稿が発端となり、その後次々にメダル劣化問題が次々と発覚することとなった。

 

そりゃあまあ、10円玉でも新品はキラキラしているのが、そのうち茶色く変色するのだから、むき出し状態ではメダルも少しは変色くらいするだろう、くらいに思っていたのだが、その画像を見て、うーんこれは確かに気になるかも。

なにせ、もらってから1週間ほどしかたっていない状態でこれなのだ。

 

オリンピックメダルでは、変色を防ぐための表面塗装を施しているらしい。

確か東京大会でも、「こすったらメダルの表面がはがれた」と不満を表明した選手の記事を見たことがあって、私は「剥がれた」ってどういうことだろうと当時不思議に思った。

www.j-cast.com

 

その後、どうやらメダル本体ではなく、「メダルの地金表面に施された防護塗膜の剥離」のことを指しているらしいことがわかった。東京大会でもあったのだから、パリ大会でも同様のことはあるだろう、と最初は思っていたのだが、どうもパリ大会のメダル品質には多くのアスリートが問題視していて、問題の大きさは東京大会の比ではないことがわかってきた。

パリ大会のメダルは、宝飾メーカーのショーメがデザインし、フランスの国家通貨製造機関であるパリ造幣局が製造に当たった。製造されたオリンピックメダルの数は、5,084個。

ニュースを見ていると、銅メダルで問題が多く発生しているようだ。そのほか、金メダルの色が悪いという情報もあった。3年前の東京大会の金メダルはまだ光り輝いているのに、パリ大会の金メダルはもうくすんだ色をしている、という比較動画もアップされた(TOKYO vs PARIS)。

https://twitter.com/i/status/18225885123376

 

日本選手では、フェンシングの金メダリスト松山恭助選手がX上で報告している。

傷はあんまりついてないけど、なんか少しはげてきてる??

これは半年後、1年後はどうなってる?笑

https://x.com/kyosuke_1219/status/1823700628012720359

たしかに、左下から下側の縁に近い部分に、剥離の痕跡が見える。

 

振り回したり、メダルをかけて飛び跳ねていたらリボンをメダルとつなぐ金具がとれてメダルが落ちた、もっと頑丈に作るべき、というのもあったがこれはどうなのだろう。品質問題と言っていいのか、これは?

news.yahoo.co.jp

 

パリ造幣局はオリンピックメダルの製造経験が少ないのではないか、と疑問を持つところ、少ないどころか、世界にここほど多くのオリンピックメダルの製造実績を持っているところはないかもしれない。

ギリシャアテネで近代オリンピックが初めて開催された1896年から、メダルはフランスのモネ・ド・パリによって作られている。

「当時、ギリシャ造幣局はメダルの作り方を知りませんでした。彼らは私たちに依頼してきたのです。その後、モネ・ド・パリは1900年、1924年パリオリンピック1924年シャモニー冬季オリンピック、1992年のアルベールビル冬季オリンピック、そしてパラリンピックも含めてメダル製作を繰り返し手がけてきました」と、モネ・ド・パリの会長兼CEOであるマーク・シュワルツ氏は述べた。

「オリンピック・パラリンピックメダル製作の舞台裏」より引用

※「モネ・ド・パリ」とは「パリ造幣局」のことです。

 

olympics.com

 

え、じゃあなんで劣化問題が発生しているの?と誰しも疑問を抱くことだろうが、その原因は不明だ。

パリ造幣局では、申し出があれば調査の上交換に応じるとしている。実際には、表彰台でもらったメダルを大切にしたいと考えるアスリートも多いようなので、どれほどの交換要求があるかは疑問である。しかし、すべてのメダルを交換するとなるとおそらく膨大なコストが発生するはずで、もはや取り返しのつかない問題となってしまっている。子々孫々まで栄光の記念として残されるであろうオリンピックメダル。パリ大会のメダルがボロボロの状態で伝わっていったら、大会の不名誉な記憶として、未来に引き継がれていってしまうのだ。

また、始まったばかりのパラリンピックのメダルでも同様の問題が起こることは確実で、担当者にとっては頭の痛い問題だろう。

 

なお、余談ながら、わたしのコレクションしているバッジも古いものが多いため、劣化問題は割と深刻な問題である。汚れやさびのついたバッジは、古服の柔らかい生地を小さく切ったものに油をつけてふき取るようにしている。