知事を巡る一連の問題で、連日ニュースで注目を集めている兵庫県。
県議会では、知事に対する不信任決議案が全会一致で可決し、今後は知事が今月29日までに辞職・失職するか、県議会を解散するかを選択することになる。現時点ではどちらになるか不明である。
まあ普通に考えれば、もし知事が県議会を解散させたところで知事への不信任問題は解決しないので、議会解散の可能性は低そうに思うが、どうなるか予断を許さない。
数ある報道の中で、しょうもないことで職員を怒鳴りつけたり、執拗に叱責したというエピソードの数々は、多くの雇用労働者に強い嫌悪感を催すに違いなく、兵庫県自体のイメージも失墜した。
まあ実際には、他にも様々な問題・疑惑があって、真実はこれから明らかになっていくのだろうが、いろいろ問題の多い人物であることは察しがつく。これまでずっと知事を支持していた維新の会ですら、ついにサジを投げ不信任案に賛成したことからも、状況はほぼ明らかなのではないか。
そんな兵庫県議会議員のバッジを紹介しよう。
時代は不明だが、昭和初期のモノではないかと想像する。「兵」の字をデザイン化したバッジであり、兵庫県の公式サイトでは、「県徽章」と紹介されている。
https://web.pref.hyogo.lg.jp/ac02/kids_si.html
兵庫県徽章(大正10年制定)
兵庫県旗(昭和39年制定)
県徽章(他県では「県章」と呼ばれることが多い)と県旗のデザインが全然違うというのがちょっと不思議ではある。普通は県章をそのまま県旗のデザインにしているからである。愛媛県などでも県章と県旗が異なる例もあるようだが、かなり例外的である。
現在の兵庫県では、県旗デザインのほうが広く使われているようである。私は以前、知り合いの現役の兵庫県職員にこの問題を聞いたことがあったが、この四角い県徽章は「昔は使っていたみたいだね」などと言っていたくらいで、どうも影が薄いようだ。
実際、その証拠に、兵庫県公式サイトの「兵庫県のシンボル」という上記とは別のページでは、県旗しか紹介されていない。
https://web.pref.hyogo.lg.jp/ac02/symbol.html
県の公式見解としては、どちらのデザインも県シンボルとしては「正しい」のであって、ただ現在一般に県旗のほうが広く使われている、というのに過ぎないようだ。
私が想像するに、県徽章のデザインの評判があまりよくなく、とはいえ正式に決めたものを廃するほどの積極的理由にも欠けるので、県旗を新たに作り、こちらを事実上の正式シンボルにすり替えた、ということではないか。
さて、バッジである。
黒染めした丸く膨らんだ土台に、おそらくは銀象嵌であろうか、花型模様を施し、兵庫県シンボルを金色の別パーツで嵌め込んだ、よく見ると手の込んだ作りになっている。
県議会議員章としては比較的小型でさりげないが、非常に丁寧で高級感あるツクリになっている。裏面には、「兵庫県会議員」と文字がある。
個人的にも、古い県議会バッジの中で、割と好きな一品である。