徽章はバッジにしてピン

世界の徽章文化を考察するブログ。というか、バッジが大好き。コレクションを紹介したり、バッジに関する情報を考察したり。実用性皆無、実生活への寄与度ゼロ保障のブログです。

イギリス 救世軍バッジ

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今年のクリスマスは、天皇誕生日と土日が続いて3連休となった。日本各地で例年にない大雪があって大変な状況だが、関東南部はずーっと晴れ続きの12月。連日寒さは厳しいものの、クリスマスイブも晴天となった。

私のクリスマスイブは銀座。
華やかなイルミネーション。3連休の中日ということもあって、大勢の家族連れやカップルでにぎわっていた・・・その街角で。
ひとりの「救世軍兵士」に出会った。

この時期の名物、「社会鍋」である。社会鍋を知らない人はあまりいないだろうが一応書いておくと、プロテスタントキリスト教団体の救世軍が行っている年末の募金活動のことで、俳句の季語にもなっている由。
銀座であった青年兵士(救世軍信徒をこう呼ぶ)は、鍋を吊した三脚?のとなりに、黒っぽいコート姿(軍服軍帽は着ていなかった)でサックスを手にひとりでたたずんでいた。私が近寄って、木の蓋をした鍋にお金を投じると、一瞬、あれっ?と言いそうな、意外そうな表情を一瞬浮かべてから、「ありがとうございます」。
「社会鍋にご協力ありがとうございます。」というチラシをもらい、私は目礼を返して去ったが、背後から彼の奏でるサックスの音が聞こえてきた。「真っ赤なお鼻のトナカイさん♪」(笑)。

救世軍は、イギリスで生まれた団体だが、軍隊的組織形態と名称が印象的なキリスト教の一派だ。
英名「Salvation Army」という。直訳すると「救いの軍」となるが、日本など漢字の国では「救世軍」の名称が使用されている。
社会実践を重視するのが大きな特徴である。
本部はロンドンにあって、「万国本営」と呼ばれる。各国にある救世軍組織は「軍国」として、それぞれ「本営」を持つ。日本軍国の本営は、神保町の岩波ホールの側にそびえるビルにあって、「救世軍本営」と書かれている。
「万国本営」!・・・ああ。なんとも萌えるネーミングと言わざるを得ない。

本場イギリスでは、イギリス政府に次ぐ規模の慈善団体として活躍しているという。アメリカでも、毎年十指に入る慈善献金額を誇るという実力を持っている。
「社会鍋」ってのは日本独特じゃないかと思うが、どうなのだろう?

今日のバッジは、そんな救世軍兵士のバッジである。イギリス製で1900年前後のもの。
盾型で、神の栄光を表す王冠(左上)と、救世軍シンボル(右下)、そして中央に「Salvation Army」。
字の周りが透かし彫りとなっていて、手の込んだものである。

なお、銀座でもらった小さなチラシに、こんなスローガンがあった。
「心は神に 手は人に」。