徽章はバッジにしてピン

世界の徽章文化を考察するブログ。というか、バッジが大好き。コレクションを紹介したり、バッジに関する情報を考察したり。実用性皆無、実生活への寄与度ゼロ保障のブログです。

毛沢東生誕130周年 ~毛沢東バッジ 武漢空軍 1968.12.26~

毛沢東バッジ「武漢空軍 1968.12.26」

今日、12月26日は、毛沢東生誕130周年の日にあたる。毛沢東は、1893年(光緒19年)12月26日、湖北省に生まれた。ニュースによると、中国各地で毛沢東を称えるイベントが行われているという。建国の父である毛沢東の生誕日は国家的記念日ということになるのだが、ここが微妙なところで、現習近平政権にとって、毛沢東はますますナーバスな存在になっているように見える。

中国共産党にとって、今も毛沢東は権威の根源であり、自らの権力の正当性ともなっている。だが、かつて文化大革命毛沢東を熱狂的に支持した人々は、当時共産党のトップであった劉少奇や鄧小平を「走資派」と批判し追い落としたのである。鄧小平をはじめ、毛沢東後の中国の指導者は、みな毛沢東の扱いには頭を悩ませてきたのである。劉少奇らが「走資派」であるとすれば、習近平はなんであろう。現中国政権は、いやこれまでの毛沢東後の指導部は、みな毛沢東をあがめつつ、その思想を巧みに骨抜きにしてきた。

毛沢東のスローガン「造反有理」を叫ぶ国民の存在は、現政権にとっては反体制そのものである。習近平政権も、毛沢東への支持が現政権への批判に向かうことを警戒しているようだ。

さて、今日は毛沢東の生誕130周年ということで、毛沢東バッジを紹介しよう。

毛沢東バッジというと、一番有名なのはアルミ製で毛沢東の頭部を浮き彫りにし、赤く着色したタイプだが、これは中央にカラープリントしたパーツをはめ込んだ少し手の込んだタイプである。グラデーションの背景が映える。

緑の軍服に身を包み、笑みを見せる肖像の周りに、「偉大的導師 偉大的領袖 偉大的統帥 偉大的舵手」、「毛主席万歳 万歳 万万歳」とある。この「偉大的~」は、通称「四つの偉大」。文革時代の定番スローガンである。毛バッジにもよく登場する。

裏面には、「慶祝毛主席万寿無疆 武漢空軍 1968.12.26」とある。「万寿無疆」とは、長寿長命の祝い言葉である。直接書かれているわけでないが、日付までかかれていることから生誕記念に作られたバッジであることは間違いないだろう。