徽章はバッジにしてピン

世界の徽章文化を考察するブログ。というか、バッジが大好き。コレクションを紹介したり、バッジに関する情報を考察したり。実用性皆無、実生活への寄与度ゼロ保障のブログです。

中華民国 司法部銅質奬章

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昨夜は残念ながら仕事で帰りが遅かったのですが、帰ってからはカップ焼きそば食べながらずっと見ていたのが、例の建築設計偽装事件のアネハ証人喚問関連ニュース。
事件の真相や真犯人探しはともかく、当初単純に考えられていた「ごまかしたヤツが悪い」なんて単純な話じゃなくなってきました。業界の構造にからんだ根の深い問題のようです。
いやあ、こんなオオゴトになろうとは、当初誰が予想したことか。

ま、それはさておき。
証言を聞いていると、証人たちの証言が、肝心な部分で完全に食い違っているのは明らかでした。
となると、論理的には2つの答えしかない。誰かが嘘を言っているか、それとも全員が嘘を言っているか・・・
被害者を思うと不謹慎ですが、興味のそそられるニュースであることは確かです。

ところでここにある1枚のバッジ。
中華民国の「司法部銅質証章」。小さいながら厚みのある堂々としたバッジで、とても素晴らしい1品。
おそらく民国初期(1920年代?)のものと推測しています。中国らしい七宝の魅力を存分に味わえます。
「司法部」というのは、日本で言えば「法務省」になります。ここが発行したバッジで、「奬章」というからには、何らかの功績があった人を賞するためのバッジなのでしょう。わざわざ「銅質」と断わるからには銀や金もあったのかもしれません(ただし、中国の徽章では、メッキを除けば金製のものは極めて少ない)。

おもしろいのはその裏面で、なんだか鹿のような動物が描かれています。ちょっとカワイイ。
さてこれはなんでしょう?ヒントは「司法」。

・・・と聞かれてスラリと答えられた人がいたらものすごくスゴイ。
答えは、中国の想像上の生き物(霊獣)である「獬豸(カイチ)」。
羊のような姿をし1本の角を持っていて、嘘をついた者をその角で突き殺すともいわれる聖なる動物です。公正な裁きをモットーとする司法機関にとって、まさにシンボルにピッタリです。

もし、昨日の証人喚問の場にコイツが現われたら。
ほとんど大殺戮の場と化したんじゃないか(笑)。