徽章はバッジにしてピン

世界の徽章文化を考察するブログ。というか、バッジが大好き。コレクションを紹介したり、バッジに関する情報を考察したり。実用性皆無、実生活への寄与度ゼロ保障のブログです。

イギリス? 聖ヨハネ騎士団十字バッジ

イメージ 1

十字の話を書いてて思い出したんですが、しばらく前、「キングダム・オブ・ヘブン」という映画を見た。12世紀、十字軍によりキリスト教側の支配下にあったエルサレムキリスト教側(エルサレルム王国)とそれを取り囲むイスラム側との微妙な関係を描いた歴史映画です。
正直、肝心のテーマやストーリーは感銘に残らなかったのですが、その代わりに強い印象に残ったのは、キリスト文化における十字架マークの偏愛ぶりだったのですが、それってワタシだけ?

まず、「エルサレム十字」が出てくる。大きな十字の4隅に小さな十字1つずつを配置した目立つ十字架マークで、それが衣装やら盾やらにハデハデに描かれているファッションには、正直カッコイイと思ってしまいます。もちろんほかの種類の十字たくさん登場します。ストイックな白と黒の服に十字だけを染め抜いた衣装もまたイイ。
我ながらミーハーだなあ・・・。でも、あの映画では、さまざまな衣装こそが主役だったんじゃないかと疑ってます。

でも、実は私がいちばん好きな十字架はこれ、「聖ヨハネ十字」!マルタ騎士団十字などともいい、聖ヨハネ騎士団が用いた「8つの角を持つ変形十字」です。聖ヨハネ騎士団は、16世紀にロードス島の戦いにトルコに敗れ、マルタ島に移って、18世紀にナポレオンに破れ、流れ流れてローマに本部を持ちます。バチカン同様、イタリアの中の独立国家で、「国土なき国家」として有名(マルタ島への復帰運動もあるらしい)。なんと、国連総会にまでオブザーバー参加しているとのことです。

もちろん公式サイトだってあります(http://www.orderofmalta.org/index.asp?idlingua=5)。
今は異教徒相手の戦闘や巡礼者護衛の仕事じゃなく、医療活動を中心に展開しています。
・・・さっきサイト見てきたけど、この団体がいかにこの変形十字を愛しているかがよくわかった(笑)。

もっとも、このシンボルはヨーロッパ諸国でも使われることがあって、イギリスでは勲章にもなっています。たぶんこのバッジもイギリス製(でも違うかもしれない)。
それにしてもカッコイイシンボルのバッジ。白一色で、何のよけいな装飾もないところがストイックだし、「聖騎士団」なんて日常会話ではまず出てこない名称と、それがまた実によくマッチします。

ああ。ステキ。