
1905年の第1回大会から現在に至るまで続いている、人工言語にして国際補助語、エスペラントの世界大会。このブログでは世界大会の記念バッジをこれまで多数紹介してきた。
これまで入手してきた世界大会バッジのうち、最も古いバッジを紹介しよう。
星型の緑の七宝仕上げのバッジで、最大幅2cm足らずと小さめのバッジである。明らかに古いつくりで、大きく「7a」とだけ文字がある。裏面にはメーカー刻印があるが、不鮮明で判読は困難だ。小さな3色のリボンで吊り下げられている。
さてこれは何か。
察しの良い人ならわかるだろうが、要するに第7回エスペラント世界大会のバッジである。緑の星は、エスペラントのシンボルである。
1911年、ベルギーのアントウェルペン(アントワープ)で開催された大会の記念グッズだ。通常なら、「7a UNIVERSALA KONGRESO DE ESPERANTO」と記載するところ、大胆に略しているところが面白い。
三色のリボンの色はベルギー国旗と同じであることからも、これがこの大会の記念グッズということが明らかだ。
ところで、「7a」とはなにか。少しエスペラントの解説をしておこう。これは要するに助数詞である。英語で表すなら、「7th」となる。
エスペラントの助数詞は、例えば次のとおりである。
第1回 → la 1-a(la unua)
第7回 → la 7-a(la sepa)
英語の助数詞は、「first, second, third, fourth」と不規則性があるので、略す場合も「-st, -nd, -rd, -th」となる。が、エスペラントにはそのような不規則性は一切ないので、すべての助数詞の略記は「-a」である。
これまで多くのエスペラント世界大会バッジを見てきたが、このバッジ以前の1~6回大会バッジは未見である。願わくば、特に記念すべき第一回大会「1a UNIVERSALA KONGRESO DE ESPERANTO」バッジをぜひ手にしたいものだと思っている。
ああ、いつか叶うであろうか。