昨日の続き。
第二次世界大戦が終結し、8年ぶりに開催された1947年の第32回エスペラント世界大会。開催都市は前回と同じスイスのベルンであった。なお、100年以上の歴史を持つエスペラント世界大会で、2度連続して同じ国で開催されたという例は、今のところ他にない。(まあベルンの場合、連続と言っても間はずいぶん空いているわけだが・・・)
バッジは前回とは大きく異なり、正方形にスイス国旗、エスペラントのシンボル緑星、ベルンのシンボルである熊を描いている。バッジの4辺には、「第32回エスペラント世界大会 ベルン・スイス 1947」とある。
左下の熊の姿はベルン市章そっくりである。
余談ながら、ベルンでは世界大会が3回開催されている。
1913年(第9回大会)、1939年(第31回大会)、そしてこの1947年(第32回大会)である。
この3つのバッジを比べると、時代によるバッジの変化というのを感じられて興味ぶかい。
さて、さらに余談だが、世界大戦のほか、各国で開催されてきたエスペラント世界大会が実施できなかった事例が、去年と今年続けて発生した。新型コロナウイルス流行による影響だ。ただ、大会自体はインターネットを通じて開催された。これも大会史上初の事態である。
本当なら、昨年2020年はカナダのモントリオールで、今年2021年は北アイルランドのベルファストで開催されるはずであったのだ。それでも形を変えて、インターネット開催という方法が実現されたことで、今後の世界大会も各国開催方式を取り入れつつ、インターネットを通じた参加が定着していくかもしれないと想像している。
なお、来年は(今度こそ)カナダのモントリオールで開催予定とのことだが、インターネット空間における橋渡し言語としてのエスペラントの在り方を検討するのも面白いのではないか。