徽章はバッジにしてピン

世界の徽章文化を考察するブログ。というか、バッジが大好き。コレクションを紹介したり、バッジに関する情報を考察したり。実用性皆無、実生活への寄与度ゼロ保障のブログです。

中国 山東省臨清県政府徽章

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最近、共産主義関係バッジだけだったので少し口直しを。
年末中国で入手したばかりの、中華民国のバッジです。

山東省臨清県政府」と周囲に赤地で記されています。「県政府」という表現はなんだか大げさに聞こえるが、直訳すれば「Prefectural government」。しかしまあ、中国の県というのは日本の行政区分で言えば市・町くらいに該当するので、県庁と言うより市役所としたほうが適当か。
おそらく3,40年代の作。

それにしても・・・
うーん、きれいなバッジだなあ。

ナショナルカラーである赤、白、青を用い、特にコバルトブルーのエナメルの肌が美しい。七宝って、青がいちばん鮮やかに発色するのです。
また、圧倒的な安定感を感じさせる隷書体の字と8文字の配置も、中央の白日章と調和してさらに安定感を醸し出すのです。

私は、バッジの中でも、特にメンバーシップバッジというか、証章が好きです。
日常的に身に帯び、自分の所属や身分を明確にするにするアイテム。普段使いのバッジのため、一般に過度な装飾は少ないものの、自分のアイデンティティーを明確にするアイテムには、やはり格別な思いが込められているような気がするからです。

これらバッジを作った人たちは、なにも芸術作品を作ろうとしたわけではなく、普通に、通常の証章を作ろうとしたのです。技術的にも特別高いものがあるわけじゃない、奇抜なデザインもあるわけでもない。
一目で認識できるバッジであれば、それで目的は達せられる。
でも、そこに滲み出る、実用性に裏付けられた「美」。すばらしい。
美しい。