徽章はバッジにしてピン

世界の徽章文化を考察するブログ。というか、バッジが大好き。コレクションを紹介したり、バッジに関する情報を考察したり。実用性皆無、実生活への寄与度ゼロ保障のブログです。

中国 94軍121師団徽章

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昨日に引き続き、中国(中華民国)の徽章を紹介しよう。

なんの変哲もない小型の徽章だが、時代の雰囲気がよく現われていて好ましい。
34年というのは、もちろん中華民国34年、つまり1945年のことだ。「94A」は第94軍、「121D」は121師団の略である。裏面にはシリアルナンバー「No.063」が刻印されている。つまり軍の部隊の認識バッジだ。

どういうわけか、中国軍にはこうした部隊バッジが多くみられる。しかも部隊ごとに、様式も大きさも全然異なる。
この定規で引いたような字体やモコモコとした七宝の盛りは、古い中国バッジでおなじみの雰囲気だ。

ちょっと七宝について説明すると、七宝というのは、ガラス質の釉薬を金属製の台に盛りつけ、焼成したあと(高温で溶着)、平らになるよう磨き上げてツルツルにするらしいが、研磨課程を省いたものも多く見られる。(昨日紹介したバッジは研磨してある)
そのためか、表面がモコモコ・デコボコしたものもかなり多い。というより、その方が多いかもしれないんじゃないかと思うほどだ(が、不思議とそれはそれでまた味わいと感じられる)。

さて、1940年代も中頃となると、中国のバッジの形はシンプルな円形が増え、飾鎖で吊り下げる形式は少なくなって、ピンバック式が主流となる。
色は、白と青を基調とするものが多いので、コレクションケースに中華民国時代のバッジをずらーっと並べると、遠目にも一面が青く見える(一方人民共和国時代のそれは、やっぱり赤くなる)。

絵も図もなく、簡単な番号だけが表された平凡でシンプルなバッジだが、こうしたバッジに私はなんともいえない美を、そこに見る。

などと言っても、やっぱり、あんまりみんなには共感してもらえないのかなあ・・・?