徽章はバッジにしてピン

世界の徽章文化を考察するブログ。というか、バッジが大好き。コレクションを紹介したり、バッジに関する情報を考察したり。実用性皆無、実生活への寄与度ゼロ保障のブログです。

日本 大礼記念御臨幸記念メダル

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先に、日本でも真に優れたバッジなどを作る能力が低下していると書いたけど、その一例を示そう。

先日入手したのがこのメダル。直径24mmごく小さいが・・・一目見て、あっ、いいなと思った。
なによりもまず美しい。手にとって、精緻さが伝わる。純銀?の材質の輝きが、全体の高級感を支えている。

何のメダルかというと、裏面に「奉祝大礼於上野公園 御臨幸記念 昭和4年12月東京市」とある。上野公園に昭和天皇がやってきて、即位記念に何かのイベントが開催された、その記念であるようだ。

デザインというと、これまた天皇ゆかりのシンボルが満載。
全体のカタチは、三種の神器のひとつ、八咫鏡(ヤタノカガミ)。そして中央を貫くのは、草薙の剣(クサナギノツルギ)、水色の小さくふたつ見えるのは八尺瓊勾玉(ヤサカニノマガタマ)だろう。
さらに、真ん中には「万歳」の文字を篆書体で入れ、上部の左右の花状のものはきっと「右近の橘、左近の桜」だ。
両脇には2条の錦の御旗。
真下には、東京市のマークが見えるが、これは現在の東京都のそれと同じだ。

・・・というわけで全体におめでたい天皇ゆかりのシンボルだらけなのだが、白を基調にした色合いがきれいだ。このメダルは特に特別な高級品ではない。ありふれた記念品のひとつに過ぎない。
数えてみたら、7種の七宝を用い、表面は鏡のように平らに磨かれている。

ところで、このバッジは小さな箱入りなのだが、この箱もまた可愛い。
で、裏面に「安藤七宝店謹製」の文字が押されている。

・・・ん?アンドウシッポウテン?
どこかで聞いたことがあるような?
で、思いついて昨日ググってみたら、出てきた。ああ、あれか!

銀座に立派な店舗を構えた七宝専門店を知っている人も多いだろう。122年の歴史を誇る老舗、あれが安藤七宝店だ。
私も実は何度か店内に入ったことがある。
店舗紹介で知ったのだが、名古屋にはコレクション展示館があるそうで、これぜひ行ってみたい!