モンゴルでユニークなメダルといえば、やっぱり牧畜関係モノだろう。人民革命党による社会主義近代化が進められても、やはりモンゴルは遊牧の国である。
その昔、私はモンゴルから来た留学生と話をしたことがあったが、彼女は馬には難なく乗れても自転車には乗れないのであった。
さすがだ、と変なところで感心したものである。
牧畜関係メダルはとても豊富で、時代によってもさまざまなバリエーションが作られているのだが、最もポピュラーかつユニークなのがこのメダルだろう。
これ以前にもさまざまなタイプがあるのだがそれらと比べると、堂々たる大きさといい、全体の形といい、スカイブルーの余白を含んだデザイン構成といい、何かひとつの極に達した感がある。並んだ5頭の家畜の造形も優れていて良い。
割と数があるだけにそれほど高価なモノではないが、モンゴルのメダル類では傑作のひとつに数えていいんじゃないかと私は勝手に考えている。
いわばモンゴルを代表する模範労働者メダルなのだが、これも時代が下るとつまらないものに変じていってしまうのである。