徽章はバッジにしてピン

世界の徽章文化を考察するブログ。というか、バッジが大好き。コレクションを紹介したり、バッジに関する情報を考察したり。実用性皆無、実生活への寄与度ゼロ保障のブログです。

モンゴル 特別労働者メダル

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モンゴルというと草原の国であり、遊牧の国であり、ユーラシアの覇者チンギスカーンの、馬頭琴の、馬乳酒の、ゲルの国である。最近は横綱朝青龍の出身国、というイメージも定着している。

まあどちらかというと牧歌的なイメージが先行する国ではあるが、1921年から1992年まで、紆余曲折を経つつ、ソ連に極めて近い・・・いや、時として、果して独立国というべきかソ連邦に属する一共和国にすぎないのか、見分けがたいほどに近い社会主義国となった。

そんなわけで、モンゴルの社会制度はソ連のそれをそのまま模倣した部分が多く、しかもそれらの社会制度とともに、ソ連式のバッジまで導入した。だから、モンゴル語がわからなくても、モンゴルのバッジを全然知らなくても、ソ連バッジをある程度知っていればかなりの部分モンゴルバッジの推定は可能である。
(この辺、すでに革命前から独自の徽章文化が定着していた中国とは大きな差がある。人民共和国になって、ソ連風なバッジもたくさん作られたが、中国徽章文化において全体としてその影響は決定的あるいは直接的とは言い難い。)

さて、このメダルは特別労働者(Udarnik)メダル。銀製で、赤・青・銀の配色も鮮やかな、堂々たるメダルである。赤旗とハンマー、歯車のデザインはいかにも社会主義労働者にふさわしいデザイン。一見してソ連ソ連したデザインである。
特別労働者というのは、定量以上の仕事をし続ける労働者を指す。

デザインは若干陳腐な感じもするが、銀と七宝の質感がなかなか良い。