徽章はバッジにしてピン

世界の徽章文化を考察するブログ。というか、バッジが大好き。コレクションを紹介したり、バッジに関する情報を考察したり。実用性皆無、実生活への寄与度ゼロ保障のブログです。

中国 国民政府外交部職員任用考試記念章

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私のお気に入りの一枚だ。
久しぶりに見る気がするが、たまにはコレクションをかき回して、改めてしげしげと眺めるのも良いものである。

若干七宝に痛みがあるものの、うーむ、なんと素晴らしいバッジであることか。きっと当時はキラキラと誰かの胸に輝いていたに違いない。
で、なんのバッジなのかというと、全部書いてあるわけだが、中華民国の「国民政府外交部 駐外使領館 職員任用考試 記念章」なのである。つまり、外務省の在外大使館・領事館の職員採用試験の記念バッジである。監督官側なのか、それとも任用される職員側のものなのか?

直径は約40mmと、割と大きめだ。裏面には材質(銀)のホールマークとメーカー名、そしてシリアルナンバーが打刻されている。
青、赤、水色の3色の七宝が用いられているが、いずれも透明の七宝だ。純銀の質感を生かすためにこういう七宝が使われたのだろう。銀の輝きが七宝の下から透けて、底光りするような明るさを醸し出している。
七宝の表面は、鏡のように平らに磨き上げられていて今もツヤツヤとした光沢を保っている。
教科書体的なマジメな書体も、公官庁のバッジにふさわしく思える。

誰に対して配られたものか不明だが、「記念」すべき内容と、バッジの立派さがどうも釣り合っていないような・・・
まあ、昔のバッジって(バッジに限らないが)、必要以上に立派だったり出来が良かったりすることがしばしばあるが、これもその典型のような気がするな。
いや、むしろ今のように安っぽいものを大量に作ることが、逆に不可能だったのだ。そのために古いバッジには魅力があるのである。

きれいだなあ、それにしても。