徽章はバッジにしてピン

世界の徽章文化を考察するブログ。というか、バッジが大好き。コレクションを紹介したり、バッジに関する情報を考察したり。実用性皆無、実生活への寄与度ゼロ保障のブログです。

アメリカ PEACE&FRIENDSHIP ニクソン・毛沢東バッジ

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南米のバッジコレクションにはあんまり見るべきものがないので、早々に北米大陸に移ろう。これからしばらく、アメリカのバッジを紹介していく。

いわゆるカンバッジが大変多いのがアメリカ製バッジの傾向である。かなり早い段階で安価で大量生産可能なカンバッジのスタイルが確立し、普及したと見える。個人的には大量生産のカンバッジより、手の込んだ七宝仕上げのバッジのほうが好きなので、アメリカのバッジにはあんまり強い思い入れをもてない。まあそれでも面白いものもそれなりにはあるのだが。

さて、アメリカシリーズの第1回は、ニクソン毛沢東バッジ。1972年2月、それまで敵対関係を続けてきた中国をニクソン大統領が電撃訪問。米中平和五原則を発表した。言うまでもなく、米中お互いが対ソ戦略として手を組んだのであった。台湾に脱出した蒋介石率いる国民党政府は、こうしてアメリカから切り捨てられることとなる。
バッジはこの時の記念のもの。「PEACE&FRIENDSHIP FEB.22 1972」とある。ただ、2月22日がなんの日か、よくわからない。ニクソンが中国に降り立ったのが21日、共同コミュニケの発表が最終日の27日のはずであるが・・・。

ともかく、バッジの図柄は、中国の国土を挟んだ毛沢東ニクソンの肖像。しかし、地図の形が何かおかしい。そう、この形は、「中華人民共和国」ではなくて、モンゴル国外蒙古)の独立を認めていなかった「中華民国」の地図なのである。
ピースだのフレンドシップだの言いつつ、アメリカ人の中国への理解度が疑われる珍妙な一品となってしまっている。