徽章はバッジにしてピン

世界の徽章文化を考察するブログ。というか、バッジが大好き。コレクションを紹介したり、バッジに関する情報を考察したり。実用性皆無、実生活への寄与度ゼロ保障のブログです。

ソ連 レーニン「オクチャブリャータ(10月の子)」バッジ

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そういえばこの前、産経新聞のネット版で、ちょっと気になる記事があった。
レーニンが学歴ねつ造!? 小中高で「金」獲得不可能 露学者論文」、という見出しである。ロシアの歴史学者が新聞に発表したらしい。

疑惑はふたつあるという。
レーニンは、故郷の小中高校を成績最優秀の金メダルで卒業したとされているが、「論理」で「4」(5段階評価)がある上、評価の中には乱暴な筆跡や体育や日直の仕事をさぼったことをしかったりする内容もある。オール5の生徒にしか与えられない金メダルをレーニンが得ることは不可能なはず。
レーニンのものとされるサンクトペテルブルク大学の卒業証書には別人の名前が記され、それを自分の名前に手書きで書き直していることや日付などの疑惑がある。サンクトペテルブルク大学を卒業してはいないのではないか。

・・・ということで、この歴史学者アキム・アルチュノフ氏は、これまでレーニンの学歴などが捏造されたものだと主張している。

まあコトの真偽は私には判断しかねるが、例えそうだったとしても、今更レーニンの評価が決定的に変わることはないんじゃないか思うがどうだろう。

というわけで、今日はソ連のオクチャブリャータバッジ。7~9才くらいの子供が参加する組織で、ピオネール(共産主義少年団、少年先鋒隊)のさらに下の年代が対象だ。
5角星に子供時代のレーニンの肖像が描かれている。恥ずかしながら、私はその昔、初めてこのバッジを見たとき「この女の子だれ?」と思ったものだ。
ちなみに、この組織形態はモンゴルにもそっくりコピーされていて、ご丁寧なことに、バッジの形までそっくりである。モンゴル版オクチャブリャータバッジ(チョイバルサン)を参照していただきたい。
このソ連のオクチャブリャータのバッジ、あまりにもたくさんあって、おかげで集めようという気にもならず、何かに混ざっていたのか、たまたま見つかったのがこれひとつ。そのため、保存状態はとても悪い。
アルミ製でペイント彩色、大量生産の雰囲気がありありとして、とてもじゃないが関心の持てる品ではないのである。

話変わるが、以前中国の古書売り場で、「毛主席の少年時代のお話」という連環画(絵本もしくはマンガのような小冊子)を立ち読みしたことがある。50年代初めの頃の古いものであったと思う。
かなり低年齢の子供向きと見えて、字も少なくて大きく、斜め読みでもあらすじは理解できたのだが、これがすごかった。
まあ、一生懸命親の手伝いはするは、学校では勉強熱心の上品行方正、周りの大人たちにも礼儀正しい毛少年の姿である。ここまでくると、歴史の偽造というか、あまりにもツッコミどころが多すぎ、呆れて買わなかったのだが、今にしてみれば買っておけばよかったなと(笑)。
1960年代後半、「旧社会への反逆者となれ」と青少年を煽ったあのオッサンとはとても同一人物とは思えないのであった。これじゃ、逆に文革期はまずかったんじゃないの・・・とも思ったものだな(笑)。

レベルは全然違うと思うが、権力者というのは、自分の意向を超えて神格化されてしまいがちなものなのだ。