徽章はバッジにしてピン

世界の徽章文化を考察するブログ。というか、バッジが大好き。コレクションを紹介したり、バッジに関する情報を考察したり。実用性皆無、実生活への寄与度ゼロ保障のブログです。

日本 帝国鉄道協会第33回定時総会記念バッジ(昭和11年)

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最近書店などを見ても感じるのだが、どうも世の中は鉄道ブームらしいさいたま市に移転した鉄道博物館の人気ぶりもそうだけど。

でも、最近の鉄道ブームというヤツ、ちょっと私好みじゃないのだ、余計なお世話とは思うけど。どうも違和感がある。
前にも書いたけど、どうも「メカ偏重」なのだ。まあ確かに特に男の子は車両や、自動車や、飛行機などが大好きなものだが、大の大人の趣味としては、興味がそれ止まりというのもどうなんだと思ってしまう。
鉄道って、もっとこう、近現代の日本の発展史、みたいな部分も多いと思うんだけどな。このブームの中には、そういう香りが全然しない。新設の鉄道博物館に行って、ハッキリと感じたのはそのことだ。車両並べて、模型走らせて、それで?って感じ。

・・・鉄道マニア(全部ってワケじゃないだろうけど)に対してそんなささいな不満を持っている私。今日は鉄道の歴史にかかる一枚のバッジを紹介しよう。

中央の動輪+レール断面のマークは、帝国鉄道協会のシンボルである。帝国鉄道協会会員章とその概要は以前紹介したことがあるのでそちらを参照してほしい(こちらもなかなかよいバッジです!)
そして、左右に日本国旗と満州国が交差している。
裏面には「国鉄道協会 第三十三回定時総会記念 昭和十一年五月 於大連市」とある。
満州の建国は1932年のことだから、この総会が開かれたのは、それから4年後のことになる。満州の海の玄関口、交通の要衝として栄えた大連市。どうして帝国鉄道協会の総会が大連で行われたかの詳細は不明。
5月は、この街のシンボルでもあるアカシアの開花期である。この総会の開催時も、アカシアが咲き乱れていただろうか。

バッジは、おそらく白銅製で、どうやら中国製ではなく、日本製のようである。
デザイン自体はありきたりだが、変化のある全体の形状や立体感を持たせた造形など、なかなかよい出来栄えだと思う。