徽章はバッジにしてピン

世界の徽章文化を考察するブログ。というか、バッジが大好き。コレクションを紹介したり、バッジに関する情報を考察したり。実用性皆無、実生活への寄与度ゼロ保障のブログです。

アメリカ ギリシャ文字クラブバッジ「KKK」

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アメリカの大学にある学生結社。フラタニティ(fraternity)、あるいはソロリティ(sorority)である。クラブ名にギリシャ文字の頭文字がつけられていることが多いため、「ギリシャ文字クラブ」とも呼ばれる。
なぜか秘密結社的雰囲気が濃厚で、クラブ名にギリシャ文字をつけるあたりからして、どこか謎めいたムードを漂わせている。秘密の入会儀式を持っているところも多い。主に会員同士の相互扶助、関係強化が目的で、名門大学の上流階級子弟の間では将来のコネクション作りに活かされているらしい。日本にはない伝統である。

今日の画像は、そうしたクラブのバッジである。
ドクロ型で、縦12mmほどしかない小さいが精巧なツクリだ。
ドクロの額に「KKK」とある。白人優越主義組織のクー・クラックス・クランとはもちろん無関係で、この場合は「ケィ・ケィ・ケィ」ではなく、「カッパ・カッパ・カッパ」と読んであげたい。残念ながらどこの大学のモノかは不明。
有名なギリシャ文字クラブに、イェール大学の「スカル・アンド・ボーンズ(S&B)」というのがあって、その呼称どおり、ドクロとX字に組み合わせた骨をシンボルマークとしている。
このバッジも似てはいるが、ドクロの下に組み合わせているのは鍵であり、いわば「スカル・アンド・キーズ」。ドクロはこの手のクラブには、シンボルとして愛用されており、神秘主義的傾向の表れのような気がする。

ツクリの良さは素晴らしく、立体的なドクロの造形、その下の鍵の透かし彫りの繊細さ、歯や口に細かく施された七宝など、まあよくできている。目にはめられているのはルビーであろうか。というのは、小粒ルビーはアメリカの結社バッジにはしばしば用いられていて、決して珍しいケースではない。まあガラスの可能性も否定できないのだが。

これらのバッジは、我々がなじみのある一般のバッジとは全く異なる雰囲気を持っていて、ツクリとしては、バッジというより、感覚的にはアクセサリーに近い。
なかなか興味は尽きないものだが、中には驚くほど高いモノもあって、そういうバッジに手を出そうと思うときだけは円高バンザイだ。もっとも、元々カネがない身にとっては円高メリットも存分に活かす余地すらないのだけど・・・