徽章はバッジにしてピン

世界の徽章文化を考察するブログ。というか、バッジが大好き。コレクションを紹介したり、バッジに関する情報を考察したり。実用性皆無、実生活への寄与度ゼロ保障のブログです。

日本 愛知県消防功労章

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世間一般には、消防業界にこんなにも多種多様なメダルが存在していることは、あまり知られていないだろう。大きくハデで、これでもかと気勢を上げている感じで、ツクリは安っぽくても、数が集まるとそれなりに迫力だ。

当ブログでもこれまでいくつか紹介してきたが、本当は集めるともなく集まった消防メダルはうんとあるのである。
この手のメダル、私はほとんど気に入らないのだが、古いモノにはやはり良いモノもあり、ちょっと紹介してみよう。

愛知県の消防功労章。製作年は不明。戦前の作であることは間違いないだろう。
50×40mmと大きさも十分。何より七宝の色が美しい
周囲の葉を緑の透明七宝で彩り、上部は白、オレンジ、黄のグラデーションを活かした桜の花が飾っている。中央の纏と交叉した放水銃は不透明の七宝で存在感をアピール。白い七宝にわずかに気泡が混入してしまっているが、全体にこれだけの質なら、十分許せてしまう感じだ。よく見ると、下部の青いリボンは、裏と表に見える部分で2色の七宝が使い分けられていて、ちゃんとリボンらしく見えるように工夫されている。芸が細かい。
今ではすっかり薄くなっているが、旭日マークはちゃんと金メッキが施されている。

材質は純銀。このくらいの厚みのメダルだと、表裏を貼り合わせて中空に作ることも多いのだが、このメダルはどうも銀ムクらしい。手にしたときはその重みに、中空じゃないのか、と少し驚いた。

漆塗りの箱に収まっており、箱裏には「名古屋水野製」の文字がある。愛知県なら安藤七宝店製かと思っていたら、外れた。「水野」なる徽章メーカーは、有名なんだろうか。中部地方のメーカーはよく知らなくて・・・。なんにせよ、尾張七宝のレベルの高さを見るようで、素晴らしい一品だ。

消防メダルも、このくらいのレベルのモノばかりだと集めたくなるのになあ。