徽章はバッジにしてピン

世界の徽章文化を考察するブログ。というか、バッジが大好き。コレクションを紹介したり、バッジに関する情報を考察したり。実用性皆無、実生活への寄与度ゼロ保障のブログです。

アルバニア 労働卓越者勲章

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これまでこのブログでは、ほとんど日本では関心を持たれていないアルバニアのメダルやバッジをいろいろ紹介してきたところだ。

そして毎度、そのデキの悪さに、あきれたり嘆いたりしている。製作技術が劣っているだけでなく、デザインそのものがもうダメなのだ。ほとんどやる気がないとしか思えないのだ。一体、アルバニアの徽章文化はいったいどうなっておるのか。同じバルカン半島でも、ユーゴスラヴィアギリシャでは決してそんなことはないというのに。

それでも、王国時代のアルバニアでは、1940年代まで見る人の目を奪うようなきらびやかですばらしいデキの勲章やメダルが生産されていたのである。それが、共産主義時代になってからは、逆に目を背けたくなるようなモノばかり。もっとも王国時代のそれは、国内製ではなくヨーロッパ諸国への委託生産品だったのだが。

では、労働党一党独裁体制崩壊後のアルバニアではどうなったのか。
気になっていたところ、最近入手した新生アルバニアの勲章を紹介しよう。
URDHARI MJESHTRI I MADH I PUNES」、強いて訳せば、「労働卓越者勲章」とでもなろうか。様々な分野で傑出した実績を上げた者に贈られるらしい。単一階級。
制定は1993年。なぜか2005年から「URDAHRI MJESHTER I MADH」(卓越者勲章)と名称が変更された。ただし文字以外のデザインはまったく一緒。

授与対象者の内容からして、ごく一般的な勲章なのだろうが、これもどうにも・・・。彩色は七宝ではなく、透明なペイントでその時点でぬぐいがたい安っぽさが醸し出されてしまっている。54×44mmと大きさはあっても、なんなのだろう、この魅力ないデザインは。中央に国章の双頭の鷲を入れるのはまあお約束として、遠目から見るとスペインのファランヘ党の党章を連想させる飾りが、どうも魅力がない。

裏面を見ると、縦長のピンが頼りなさそうに付いており、やはりしっかりしたデキとは言い難い。

というわけで、どうもこの他の勲章も、似たり寄ったりのデキとしかいいようがない。
予想どおりと言えばそれまでだが、時代は変われど、その後のアルバニアモノにも過大な期待は寄せてはいけないということが、この勲章で大変よくわかった。