徽章はバッジにしてピン

世界の徽章文化を考察するブログ。というか、バッジが大好き。コレクションを紹介したり、バッジに関する情報を考察したり。実用性皆無、実生活への寄与度ゼロ保障のブログです。

チェコスロバキア パルチザン記念メダル

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長らく私はこれをチェコパルチザン勲章と思っていたところ、どうも国家の正式な勲章という扱いではなく、記念メダルとするのが適当と思われる。チェコの勲章については詳しく知らないし参考書も持ち合わせていないが、他のを見てみると裏面にシリアルナンバーが刻印されているのが普通であるのに対して、これは何もない。
それにしても、大きさは最大幅50mm近くもある堂々たるメダルである。裏面はネジ留め式。また、同型のミニチュアバッジも付属している。

第二次大戦中の1944年8月、親独政権下に置かれていたスロバキアで、数万人規模の大規模な民衆蜂起が勃発。これに対してドイツ軍は迅速に鎮圧部隊を動員して蜂起軍に当たった。一方、蜂起軍は内部の連携不調やソ連による支援不足と失敗などが重なり、蜂起軍は大きな損害を出して鎮圧された。残存部隊は、その後もゲリラ戦による戦闘を続けた。
だが、鎮圧に成功したドイツ軍・親独政権の先も長くはなかった。ソ連軍の侵攻により、1945年5月には、スロバキア親独政権も消滅することになる。

戦後、この時パルチザンとして戦った人民を顕彰するために作られたのがこのメダルである。独特の雰囲気を醸し出している。大きな五角星の中に描かれているのは、ソ連サブマシンガンPPSh-41を構えて戦う男。そして左上には「CS PARTIZAN」の文字がある。
全体に深彫りでゴツゴツした彫り込みを強調したツクリで、武骨なイメージである。最初見たときは、マシンガンを構えた男の姿が、妙にマフィアっぽく見えてしまったものだ。製作者は、正規軍ではない一般の民衆が戦ったことを表現したかったのだろうと思う。
製作年代は、1940年代後半の作とされている。