徽章はバッジにしてピン

世界の徽章文化を考察するブログ。というか、バッジが大好き。コレクションを紹介したり、バッジに関する情報を考察したり。実用性皆無、実生活への寄与度ゼロ保障のブログです。

日本 武漢警備司令部バッジ(昭和16年)

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中国において、日本人が異国情緒を感じる代表的なものといえば、城壁や城門楼閣ではないかと思う。昔から、大陸土産の絵葉書などでも好んで取り上げられていることからもそのことがうかがえる。
有史以来、日本は中国から様々な制度や文物を取り入れてきた。しかし、街をぐるりと囲む巨大城壁はついに登場しなかった。そのため、現在の我々でさえも、中国の都市に残る城壁を見ると、その巨大さに圧倒されるのである。

資料がないので詳しいことはわからないが、ネットで検索したところ、画像のバッジは、武漢を後略した日本軍の中支派遣軍第34師団武漢に駐在していたときの記念品らしい。
城門がかたどられ、「武官警備」の文字が見える。裏面には「記念 武官警備司令部 二六〇一」の刻印がある。ということは昭和16年である。城門の形をそのままバッジにしたところがユニークである。おそらくモデルとなっている門が存在したのであろう。

日本軍関係バッジには、中国で作られた「大陸製」もけっこう多いのだが、このバッジに関しては、城門の描き方といい、どことなく日本製ではないかという印象を受ける。「記念」の文字が、中国語の「紀念」でないこともそのひとつだが、この表記についても決定的な証拠とは言い難いので、あくまで推測なのだけど。