海洋進出が目立つ中国は、東方では日本、南方では東南アジア諸国と軋轢を強めている。おそらく、日本との尖閣諸島問題よりも、南沙諸島(スプラトリー諸島)問題の方が深刻だろう。戦後、実際に中国とベトナムの間で軍事衝突まで発生している。しかも、その領有を主張する国が、中国、ベトナム、フィリピン、インドネシアなどなど数が多く、単純な解決は望めそうもない。
さて、今日の一枚は、中国国民党フィリピンルソン支部の党員バッジである。フィリピンにおける華僑は、全人口に占める割合こそ少ないが、経済的に大きな力を持っている。フィリピンにも中国国民党組織があったという紛れもない証拠である。
なかなか珍しいモノではないかと思う。入手できた時は実にうれしかった。
なかなか珍しいモノではないかと思う。入手できた時は実にうれしかった。
おもしろいことに、裏面に「標準公司」という刻印がある。資料が出てこないが、これは確か上海辺りにあったメーカーであったと記憶する。標準公司製の古い中国バッジは、よく目にする。現地フィリピン製でなく、あくまで本国製であったわけだ。ツクリの特徴から、40年代の作と推測している。
デザインとしては極めて標準的な党員章だ。ほぼ真っ平らで、青い七宝に銀メッキというツクリも、どちらかというと安価な品である。
ところで、中国語ではフィリピンは「菲律賓」だが、日本語では略して「比国」と書くように「比律賓」となる。この外国語の漢字表記が、日本や中国でどう決まっているのかと不思議になる。
ところで、中国語ではフィリピンは「菲律賓」だが、日本語では略して「比国」と書くように「比律賓」となる。この外国語の漢字表記が、日本や中国でどう決まっているのかと不思議になる。