徽章はバッジにしてピン

世界の徽章文化を考察するブログ。というか、バッジが大好き。コレクションを紹介したり、バッジに関する情報を考察したり。実用性皆無、実生活への寄与度ゼロ保障のブログです。

日本 北海道・札幌オリンピック招致バッジ

北海道・札幌オリンピック招致バッジ


本当に不思議で仕方ない。最近報道されている、東京オリンピックを巡る談合事件のことだ。

東京オリンピックでは、スポンサー契約を巡る元組織委員会理事の事件もあった。これも相当に不思議である。

なにが不思議かって、誰がどう考えてもクロだからだ。純粋な談合そのものである。関係者は「これは例外的に大丈夫」と、よほど強烈な自己暗示にかかっていたとしか思えない。ただその根拠は全く不明だ。

これはグレーではなく、明らかに真っ黒である。なんでこんなことをしようと思ったのか。逮捕された元組織委員会のメンバーは、国際スポーツに精通した人物だという。そんな人たちが、このような初歩的な犯罪を犯すことがどうにも理解しがたかった。

全くワケが分からない。そう思っていた。

ふと、学生時代に心理学の授業で見た映像教材を思い出した。たしか高層ビルで火事に遭遇した人の証言だった。下の階から猛烈な炎と煙に追われ逃げ場がない。ふと下を見ると、地面がものすごく近く見えたという。ひょいと飛び降りれば、何とか助かるのではないかという気になったそうだ。ビル火災では、逃げられなくなった人が飛び降りて亡くなるケースがしばしばみられるが、こういう心理状態に陥ることが一因とされる。

今回の談合事件で逮捕された人たちも、運営主体を選定し無事に大会を乗り切らねばならないというプレッシャーから、自分勝手な「これはたぶん大丈夫。うん、問題ないに違いない」という心理状態になってしまったのだろうか。

誰しもプレッシャーには弱いものだ。そこまではわかる。

だが、大きな組織で動かすプロジェクトというのは、個人商店とは異なる。普通なら、「これは不適切。見直すべし」という修正意見が出てきて、多少なりとも是正されていくものだろう。今回の談合など、業者選定方法の根幹中の根幹ではないか。にもかかわらず、そんなダメダメの真っ黒な企画案がする~っとそのまま通って実行されてしまうあたりは、大会組織委員会など所詮は寄せ集めの集団に過ぎないからか。組織委員会とは、オリンピックという一見「高邁な理想」を掲げて世間を幻惑させつつ、実は自らは基本的なミッションも持ち合わせない、極めて脆弱で不安定な組織であったのではないか。この組織のトップは一体何をしていたのか。絶望的である。

おかげで、2030年の冬季オリンピック招致を目指していた札幌市は、もうダメだろう。この状況でどの面下げて誘致などできるものか。

そんなわけで、最近入手したこのバッジも、黒歴史としてとどめておく価値が逆にあると感じた次第。そんな思いをこめつつ、このバッジも私のオリンピック関係のコレクションケースにしまっておくことにする。

合掌。