徽章はバッジにしてピン

世界の徽章文化を考察するブログ。というか、バッジが大好き。コレクションを紹介したり、バッジに関する情報を考察したり。実用性皆無、実生活への寄与度ゼロ保障のブログです。

スペイン ファランヘ党員章

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仕事帰りに映画でも見て外食して家に帰る、なんて、なかなか優雅な生活だと思うのだが、このところちょっと仕事に余裕があるので、今日はそんなアフターファイブを過ごすことにした。

今日見た映画は、「パンズ・ラビリンス」
(注:以下、ちょっとネタバレあります)

舞台は1944年のスペイン。内戦に勝利したファシストフランコ政権だが、山間部ではまだ共和国派(左派・人民戦線)の残党がいて、フランコ軍と戦闘が続いている、そんな舞台背景である。
主人公は、物語の大好きな10歳の女の子。再婚した母に連れられ、フランコ軍の大尉である新しい父の元におもむく。だが、この男はゲリラ殲滅に執念を燃やしており、残虐行為にも平気で手を染め、主人公やその母にも冷酷な人物である。
ある時女の子は、妖精に連れられて不思議な迷宮に迷い込む。そこで出会ったパン(牧神)から、3つの試練を果たせば彼女の真の姿、魔法の国の王女に戻ることができると告げられる。彼女は過酷な現実から逃れたい一心で、その試練を果たそうとするのだが・・・

この映画、フランコ独裁政権時代を背景にしたファンタジーということで、思わず興味をそそられたのだ。
ところがこれが、予想以上に深刻で、けっこうつらい映画であった(血なまぐさく、目を背けたくなるシーンもある)。

某サイトの映画レビューを見ていたら、「最後はハッピーエンド」みたいなことが書かれていたので、最後にはきっとどうにかなるんだろう、何らかの救いがあるんだろうと希望をつなぎながら見ていたのだが、オイオイなんだこのオチは・・・
結局、どよーんとした気分で映画館を後にすることとなった。
久しぶりにつらい映画を見たな・・・あのラストを、ハッピーエンドであったと、そう信じたくなる気持ちはちょっと分からんでもない(でもハッピーエンドではないよなあ)。

しかし、映画自体は決して悪くない。主人公の女の子の演技もすごい。
そうだ、ファンタジーというのは、過酷な現実を生きる人間にこそ必要なものなのだということも考えさせられる。ファンタジーは、決して子供だましのオモチャではないと。単に空想に逃げるのではない、それどころか命をかけてもそれを守らねばならないときすらあるのだ。

それはさておき。
映画の冒頭、黒塗りの車に乗って、女の子とお母さんが再婚相手の将校のところに向かうシーンがあるが、この黒塗りの車のドアにデカデカと描かれているのがフランコ政権における独裁政党、ファランヘ党のシンボルである。
くびきと矢束を組み合わせたデザイン(弓と矢ではない)で、それぞれカスティリャアラゴンの王朝のシンボル。それを組み合わせたのがスペインのシンボルというわけだ。

そんなわけで、今日はファランヘ党の党員章を紹介する。だいぶ前にも一度、別のタイプのファランヘ党員章を紹介したこともあるが、ちょっとタイプが違う。
フランコ時代のスペイン国章バッジもあるので合わせてご覧ください)

1932年の内戦終結から1975年に没するまで、フランコは独裁者としてスペインに君臨し、ファランヘ党も独裁党としての地位を誇った。ナチスドイツやファシストイタリアが第二次大戦でともに滅びたことを思えば、恐るべき長期政権である。そのためファランヘ党の関連グッズというのはけっこう多い。

どうも最近ファシスト関連が続くなあ。