徽章はバッジにしてピン

世界の徽章文化を考察するブログ。というか、バッジが大好き。コレクションを紹介したり、バッジに関する情報を考察したり。実用性皆無、実生活への寄与度ゼロ保障のブログです。

中国 東北人民解放軍勇敢奨章

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中国共産党が今では革命政党ではなくて国民政党に変容しているのと同様、中国人民解放軍もどうみても革命軍というよりは国防軍化している。今も革命党・革命軍であった時代の片鱗を垣間見ることがあるものの、それは珍しいことと言っていい。

共産党が政権を取る前、1949年以前の共産党(軍)バッジは、今ではコレクターの間で高く評価されている。ざっと振り返ってみれば、このブログではまだ解放前共産モノは紹介したことがないのに気がついた。今日の一枚はそれにしよう。

東北人民解放軍の勇敢奨章である。
中国東北部における共産党軍は、東北人民自治軍(1945.10~)→東北民主聯軍(1945.11~)→東北人民解放軍(1948.1~)→人民解放軍第4野戦軍(1949.3~)と名称や組織の変遷をたどった。一貫して司令はかの林彪が務めた。
林彪というと、文革時代の混乱を引き起こした人物として(さらに林彪事件の張本人でもあった)、徹底的に批判運動が展開されたこともあって、どうしても否定的なイメージが強い。もっとも最近では、抗日戦・国共内戦を勝利に導いた軍人としての功績も客観的に認めるべきだという風潮が中国でも強まっているようである。

さて、画像の勇敢奨章は、数はかなり作られたモノらしい。もっとも型違いも色々あるらしく、微妙に細部の異なる同デザインのモノが存在する。
彩色はペイントのため、剥落がひどいモノも多いが、これは比較的マシな方と思う。ホームベース型のリボンはオリジナルで貴重。中央はシルエットの兵士像で、銃を持って進軍している様子を描いているのであろう。
初期共産党のバッジ・メダルにはこのように人物像をシルエットで表現したモノをよく見かける。私は、これは、技術的に複雑な表現ができなかったためではないかと疑っている。人物を浮き彫りにしたり、七宝などの色づけで描くより、これなら確かにずっと容易なはずである。