これは私にとって懐かしい一品で、当時まだコレクターという自認もなく、気になったバッジやメダルをなんとなく買っていた頃入手したものだ。
ルーマニアのモノだということはわかったが、どういうものかは不明。臙脂色のケースに収まっており、どことなくモノモノしい雰囲気に惹かれた。
中央に光芒を放つ太陽を大きくデザインし、社会主義の象徴たる槌鎌、赤星、たなびく赤旗を配している。ツクリは3層構造で、立体感と重厚感に満ちた出来栄えだ。
久しぶりに手に取って見たが、社会主義国らしさあふれる一品で、なかなかよくできていると思った。
帰ってから調べてみたら、「労働勲章」という名のルーマニアの勲章であった。1948年に創設されたルーマニアではメジャーな勲章である。3等級に分かれており、これは3級であることがわかった。
ルーマニアといっても、1945年から1965年までの「ルーマニア人民共和国(Republica Populară Romînă)」時代のモノである。1965年に「ルーマニア社会主義共和国(Republica Socialistă România)」に国名が改称されたため、それに伴い「労働勲章」の文字も変化する。「RPR」は人民共和国時代で1948~1965年、「RSR」ならば社会主義共和国時代の1965~1989年のモノと判断できるわけだ。
この「PRP」時代の1級は特にレアらしく、かなりの高額のようだ。
実はこれを買った時、2級も一緒にあったのだが、どちらが高位等級なのか判断ができず、全体が金色に見えるこちらの方が上なのかと思ったものだ。調べたらこっちが3級だったので意外に思ったのを覚えている。