徽章はバッジにしてピン

世界の徽章文化を考察するブログ。というか、バッジが大好き。コレクションを紹介したり、バッジに関する情報を考察したり。実用性皆無、実生活への寄与度ゼロ保障のブログです。

北朝鮮 労働英雄メダル(ピンバックタイプ)

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ブログも長いことやっていると、何を紹介して何を紹介していないのか、だんだん判然としなくなる。画像のメダルはもう紹介したつもりになっていたけど確認したらまだのようなので、今日はこれでいこう。

北朝鮮の労働英雄メダル。労働者としては最高の栄誉メダルである。したがって、佩用する際はすべての勲章の上にこれをつける。ま、実際にはそのさらに上に金日成バッジ(今は金親子バッジというべきか)をつけるのだけれど。

かつて日本のコレクターは、これを手に入れるのは夢のまた夢だったのだが、北朝鮮経済の変化と中朝貿易の活発化で、こうしたモノまで国外市場に流出するようになった。私がこれを手に入れたのも中国の北京であった。交流のある中国のコレクターから買ったモノだ。もうずいぶん昔のことだ。
ところが、どういうわけか最近はあまり見かけなくなってきた。ひと頃はずいぶん海外オークションにも出品されていて、値崩れするかと思いきや、流れが変わってきたのを感じる。これから先少し価値が上がっていくのではないかと期待している。

材質は銀に金メッキで、中央に五角星と朝鮮労働党のシンボルでもある槌と鎌がデザインされている。安定感あるデザインとも言えるが、陳腐な感じもしなくもない。1951年に制定され、もちろん現在も継続されている。
裏面にはハングルで「労働英雄」の文字がある。

共和国英雄メダルも、労働英雄メダルも、それぞれの称号を得た者に贈られる。それぞれの称号が正賞で、メダルは副賞のようなモノといっていいだろうか。英雄メダルとともに、第1級国旗勲章も合わせて授与されることとなっている。

他の勲章と同じく、このメダルにも多くのバリエーションが存在する。今手元にある画像のメダルはピンバックタイプであり、綬の裏側に安全ピンが取り付けられた、比較的新しいタイプだ。より古いモノはスクリューバックタイプとなっている。ものの本によれば、全部で10種類ものバリエーションが紹介されていて、もしかしたらもっと多いかもしれない。それぞれのタイプがいつ頃作られたモノか知りたいところなのだが、残念ながらその情報はない。
また、これだけ多くのバリエーションがあれば、どのタイプがレアだとか、そういう情報もあればありがたいところだ。

つくづく思うのは、北朝鮮の叙勲・栄典制度は実にソ連的だ。同じくソ連から多くの制度を取り入れたはずの中国とは全く違う。中国の叙勲制度はかなり独特で、この辺、一件似たように見える社会主義国でも政治哲学の違いというのを感じさせられる。