徽章はバッジにしてピン

世界の徽章文化を考察するブログ。というか、バッジが大好き。コレクションを紹介したり、バッジに関する情報を考察したり。実用性皆無、実生活への寄与度ゼロ保障のブログです。

アルバニア 書籍「MEDALJET SHQIPRTARE」~「アルバニアのメダル」~

世の中にはけっこう勲章関係の本というのはあって、特にヨーロッパに多い。コレクションの参考書としても役に立つし、眺めていても結構おもしろいのでできるだけ入手するようにしている。

先週、楽しみにしていた本が届いた。「MEDALJET SHQIPRTARE」。
実はこれアルバニア語なのだが、英語が併記されていて、「ALBANIAN MEDALS」。アルバニアの勲章・メダルの本である。
後付けを見ると、2010年、チラナ(アルバニア首都)で出版されたばかりの本である。

2巻あって、1巻が1914~1944年(アルバニア公国~王国)、2冠が1945~2002年(共産主義政権~その後)を扱っている。
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表紙を見ても何となく分かるかも知れないが、1巻と2巻に掲載されている勲章・メダルはあまりにも雰囲気が違う。同じ国のモノとは信じられないくらいだ。
ちなみに、表紙に写っているのは、1巻が黒鷲勲章、2巻がスカンデルベグ勲章である。

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(1巻、スカンデルベグ勲章のページ)
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(2巻、社会主義労働者英雄メダルのページ)
総じて、1巻(戦前)のモノの方が技術、デザインとも遙かに高品質である。

アルバニアのような国にあっては、特に昔は勲章などというものは、主に外国メーカーの製品であった。戦前では、ドイツ、フランス、イタリア、戦後ではソ連、ユーゴ、東ドイツなど。但し、戦後になると国内製のモノも増えるのだが、これが質を落とす大きな要因になっているような気がしてくる。

私としては、特に戦後のモノについてはすでに参考書も持っているため、大体全体像は知っているつもりだったが、この本を見て、同じ種類の勲章でもこれほど細かいバージョンの違いがあることには驚いた。
例えば、戦後版のスカンデルベグ勲章には8種類ものバージョンがあるのである。知らなかった。

それにしても感慨深いのは、こんな本がアルバニアで出版されるようになったということだ。こういう本の需要が、アルバニアで生まれつつあるということだろうか。
やや本のツクリが甘いような気がするが、それでも私が持っている他のアルバニアの本と比べれば遙かにしっかりしている。写真も美しい。
著者は、1967年生まれのアルバニア人。この本に掲載されているのも彼のコレクションらしい。
時代は変わったなあ・・・と感慨深い。

とにかく、アルバニアの勲章・メダルに関しては、現時点での決定版といっていいだろう。
ただし、残念ながら、勲章とメダル以外の、バッジについてはこの本では全く扱っていないので、念のため。あればもっと素晴らしい参考書になったのだが。