徽章はバッジにしてピン

世界の徽章文化を考察するブログ。というか、バッジが大好き。コレクションを紹介したり、バッジに関する情報を考察したり。実用性皆無、実生活への寄与度ゼロ保障のブログです。

韓国 天一国 真のお母様御還暦記念章(天一国3年)

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文鮮明亡き後の統一教会が今どうなっているか、日本ではほとんど話題になることはない。かつて統一教会といえば、合同結婚式や大学での原理研活動でその名を知られたものだ。それが今や完全に影が薄くなった(と思う)。

かつて日本の保守派は、徹底した反共反北を掲げる統一教会を含む韓国内の保守派諸団体を支援し、協力関係にあった。しかし、韓国内では革新派が台頭、日本との関係は大きく変化する。しかも近年の日本の対韓感情の悪化で、もはや統一教会の日本国内での拡張は困難になるばかりであろう。現在では、日本では強硬な保守派ほど対韓制裁論を主張するという、かつてとは全く逆の現象が生じている。さらに、文鮮明の死去(2012年)後、韓国内でも組織は弱体化を余儀なくされているという。

統一教会の正式名称「世界基督教統一神霊協会」は、(正式には)2015年から「世界平和統一家庭連合」と改称されたそうだ。私などはこの「平和・家庭」という名称からしてなんだかいかにも・・・という感じを受ける。

分かりにくいので、ここでは一般に流通している「統一教会」の名称で通させてもらう。

さて、画像のメダルはその「真のお母様御還暦記念」ということだそうだが、「真のお母様って誰よ?」という人は少数派だと思うが一応説明しておくと、文鮮明の妻、韓鶴子総裁のことである。

メダル中央には、教祖文鮮明と真のお母様が写っている。その周囲には、「天一国 真のお母様御還暦記念」とある。韓鶴子総裁は1943年2月生まれだそうなので、2003年のものということになる。

さらに裏面には「2002年の母国使命完遂の為尽力された家庭にこの章を差し上げます 天一国三年2月6日」。

はて、天一国三年とは? 統一教会の使う独自の年号で、天一国元年は2001年となる。つまり天一国3年とは2003年のことであり、確かに韓鶴子総裁の還暦記念の年と一致する。

ただ紛らわしいことに、2010年は天基元年となり、2013年に再度「天一国」元年となる。なんでこんなことになるのか疑問ばかりが湧くが、ホントのところ、ほとんど誰も使われていないので年号が重複しようと全然困らなかったんじゃないかと思えてならない。

なぜかというと、このメダルの裏側にあるように、「2002年の母国完遂~」となぜか西暦表記が混ざり込んでおり、正しくは「天一国二年の~」とすべきでないのか。どうも当事者自身が混乱しているとしか思えないのだ。それとも何かほかに特別な事情でもあるのか(ないような気がする)。

このメダル、すべて日本語表記なのだが、製作は日本国内なのか。一山いくらでまとめ買いしたメダル類に混ざっていたもので、きっと元信者が持っていたものなのかなあ。