徽章はバッジにしてピン

世界の徽章文化を考察するブログ。というか、バッジが大好き。コレクションを紹介したり、バッジに関する情報を考察したり。実用性皆無、実生活への寄与度ゼロ保障のブログです。

韓国? 世界基督教統一神霊協会「家庭功臣」メダル

世界基督教統一神霊協会「家庭功臣」メダル

意外なところから注目を集めている世界基督教統一神霊協会(現・世界平和統一家庭連合)。世間的にはやはり「統一教会」の名前の方が通りがよいだろう。これまでにも統一教会関連のものはいくつか紹介してきた。これを機にまた一つ紹介しよう。あんまり代わり映えはしないのだけど。

badge-culture.hatenablog.com

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メダル中央の旭日旗マークは、旧統一教会のシンボル。余談ながら韓国発祥の統一教会がこのシンボルを採用していることからもわかるとおり、韓国で旭日模様に激しい反応を示すようになったのは、ごく最近の現象と考えるのが自然であろう。

メダルはでかくて重いが中央部はペイント、周囲の紅白の光芒模様はエポキシでよく見ればかなり安っぽいツクリ。

メダル裏面には、漢字で「家庭功臣」の文字があって、このことからこのメダルが韓国製ではなく日本製の可能性も疑われる。「家庭功臣」というのが何なのかは、残念ながら不明。「功臣」というのは、一般的意味では国や主君に対して功労のあった臣下を指す。「家庭」というのは一般家庭ではなく、統一教会組織を指すのだろう。

メダルの収まっていた箱裏には文鮮明のサインが金文字で押されている。よくはわからないが、統一教会に対する功労のあった者に対する記念品なのだろうと思っておく。

ところで、このメダルをブログで紹介しようとして、メダル表面にある文字に今さらながら気が付いてドキッとした。

World Peace King bridge & tunnel project of the Bering Strait」 。

つまり「ベーリング海峡世界平和キングブリッジ&トンネルプロジェクト」。

何のことかわかりますか。

1981年のICUS(世界科学者会議)で国際ハイウェイ・日韓トンネル構想を提唱した文鮮明総裁が、ベーリング海峡について触れ、壮大なビジョンを発表した。「アメリカ大陸とユーラシア大陸を分けているベーリング海峡に、橋梁を建設し海底トンネルを掘るのです。そしてアフリカの喜望峰からチリのサンテイアゴまで、イギリスのロンドンからアメリカのニューヨークまで、自動車で全世界を巡回、疾走できるようになる世界超高速道路を連結する『ワールド・ピース・キング・ブリッジ・トンネル』を架け、世界を一日生活圏にしようというものです。」

日韓トンネル推進全国会議 「日韓トンネルの夢 №23」~「ベーリング海峡ブリッジ・トンネル」の夢(計画推進中)2017年11月18日)より抜粋

統一教会のプロジェクトには、日韓トンネルとこのベーリング海峡橋・トンネルはしばしば登場する。文鮮明亡きあとどうなったのかよく知らなかったが、どうも関連サイトを見る限りではその後もその構想がなくなったわけではなさそうだ。

私がなぜこの表記を見てドキッとしたかというと、遠い昔、当該協会に入信した知人がしきりに日韓トンネル開通の夢を熱く語っていたことを思い出したからだ。

その時私は口にこそ出さなかったものの、ああなんかコイツとはもう共通の話題を持つことはできそうもないと思ったのは事実である。

が、その後大人になってから、1940年代の日本に「大東亜縦貫鉄道」なる壮大すぎる構想があったことを知った。東京、下関を経て、釜山、ソウル、天津、北京・・・と鉄道路線をつなぎ、最終的にヨーロッパ、東南アジア、中東にも至るという、21世紀の現在にあっても耳を疑うような壮大さである。当時、朝鮮海峡トンネルの実現性についてもすでに検討が行われおり、統一教会の人たちが日韓トンネルを持ち出したとしても、まあ元ネタはあったわけだ(本当にできるかどうかは別だ、もちろん)。

ベーリング海峡トンネルにしても、過去さまざまな構想が存在しており、統一教会のそれも数多の構想の一部に過ぎない。

日韓関係もこじれにこじれ、アメリカとロシアの関係ももウクライナ紛争を機に完全に破綻した。経済的技術的ハードルもさることながら、政治的ハードルも致命的。まだまだトンネル開通の日は遠いであろう。私が生きているうちはまあ無理だな。

 

ああ、そういえばずいぶん久しぶりに思い出したものだ。

あいつは今も元気にしているだろうか。