連日テレビも新聞もネットも新型コロナウイルスのニュースがあふれている。
ああ、SARS騒動を思い出すなあ。あれから飛ぶ鳥を落とす勢いで経済発展したはずの中国当局の対応は相変わらずで、当初はリスクを軽視し隠蔽し、いよいよ手に負えなくなるとたちどころに極端な強攻策をとるという対応はもはや政治的伝統というべきだろう。こういう状況をどれほど繰り返してきたことかと私は半ば呆れつつ、見ている。
ただし、私は今回のウイルス禍は重大事態ではあるが、どうもこの頃日本では騒ぎすぎではないかとも思っている。ましてその辺で売っているマスクなどは予防上なんの意味もない。新型コロナウイルスにかかるより、季節性インフルエンザやノロウイルスにかかる確率の方がはるかに高い。現在の日本では、交通事故で死ぬ人は年間3千人以上、自殺者に至っては3万人近くもいる。そちらを騒いだ方がよい。
愚痴が過ぎた。
私は中国にはあちこち旅行した気がしていたが、今回のウイルスの発生源とされる武漢には行ったことがないのだった。長江流域に栄えた武漢市は、今や人口1000万を超える大都市である。
何か武漢に関するバッジは・・・と探して見つけたのが画像の一枚。
「軍事委員会政訓所 武漢中山民校 国術訓練総隊 民国二十七年」とある。
国術訓練総隊、とはなにか。要は中国式武術の訓練機関で、おそらくこれはそこの修業証章であろう。国民党政権下、中国軍は中国武術の訓練を課されていたのである。今も台湾では、中国武術のことを国術と呼んでいる。
しかし、民国二十七年=1938年といえば、日本軍が武漢三鎮を攻略した年のこと。微妙なタイミングではある。
シンプルながらなかなか良い出来のバッジだ。