徽章はバッジにしてピン

世界の徽章文化を考察するブログ。というか、バッジが大好き。コレクションを紹介したり、バッジに関する情報を考察したり。実用性皆無、実生活への寄与度ゼロ保障のブログです。

日本 日本中央競馬会 馬主記章(平成7年)

日本中央競馬会 馬主記章(平成7年)

この社会に息づく様々なバッジを紹介するのが本ブログのひとつの目的である。今日は私にとって未知の世界、日本中央競馬会の馬主記章を紹介しよう。「徽章」ではなく「記章」と表記するのは、「馬主記章」が正式名称とされているからだ。

さて、私には競馬の知識が全くない。馬主というと、なんだかお金持ちでハイソサエティなイメージはあるが、そもそも全く関心がないので、もし将来金の捨て場所に困るほどの金持ちになったとしても馬主になろうとは思わないであろう。

しかし馬主には関心がなくても馬主記章は割と好きで、うちのコレクションケースには結構様々なデザインの馬主記章が集まっている。雑多なバッジの中にあっても、なんとなく高級感というか存在感があって、つい手が出てしまうのである。

日本中央競馬会の公式サイトを見ると、馬主記章は定期的に更新されていて、古いものは使用不可となっている。毎回新たなバッジが作られるため、バリエーションが多いのだ。

さて、馬主になるとなにかいいことがあるのか。公式サイトでは馬主特典が紹介されている。

各競馬場にある馬主専用観戦席
馬主専用駐車場の利用
競馬場への入場無料
愛馬出走時のパドック馬主エリアへの入場
ウイナーズサークルでの記念写真

ところで、馬主のうちもっとも割合の多い個人馬主になるためにはいくつかの要件をクリアしなければならない。

1.日本中央競馬会競馬施行規程第7条第1号~第13号に定める事項のいずれにも該当しないこと。
2.今後も継続的に得られる見込みのある所得金額(収入金額ではありません)が、過去2か年いずれも1,700万円以上あること。
注釈:所得金額には、一時的な所得および競馬に関する所得(地方競馬賞金等)は含みません。
3.継続的に保有する資産の額が7,500万円以上あること。
注釈:資産に含まれるのは、ご本人名義の不動産、預貯金、有価証券(投資信託、債券等を含む)です。なお、保険証券、ゴルフ会員権、海外に所在する不動産、書画骨董等は資産に含みませんのでご注意ください。また、負債がある場合は資産額からその分を差し引いて評価します。

この、「所得金額1,700万円以上」とか「資産の額7,500万円以上」とかいう要件が、いかにもそれらしい。しかし果たして、どれほどの人がこの要件をクリアできるであろうか。

さて、馬主記章のことである。

日本中央競馬会競馬施行規程」172条で「競馬場内並びに競馬場外の勝馬投票券発売所及び払戻金交付所」において、馬主は「記章または通行章を着用しなければならない」とされており、一種の身分証明用アイテムとして用いられている(馬主は場内にタダで入れるのだ)。無論、他者への貸与することはできない。

画像のバッジを見てみよう。

裏面に「日本中央競馬会 H.7.」の文字がある。このように、馬主記章には交付年があるのが特徴だ(古いものにはない場合もある)。裏面に純銀製、ねじ止め式のバッジである。

馬蹄形にJRAのマーク、識別のためのシリアルナンバーがオモテ面に刻印されている。他の年代のバッジを見ても、識別ナンバーは「カタカナ1文字+4桁ナンバー」と共通している。デザインは年代により様々だ。また、公式サイトにもあるように個人馬主、組合馬主で色違いになっているらしい(さらに個人馬主でも男女で色が違う)。

馬主になるというのは、単なる馬好きとか趣味の問題ではなく、社会的ステータスなのだ。だからそのシンボルである馬主記章もなんとなく立派なツクリになっているのだろう。

ただ、縁のない身からみると、馬主が社会的ステータスだという感覚自体が、正直ピンとこないのだが・・・。私からすると馬主になるより、カッコいいバッジが手に入ればそれでうれしいから。