徽章はバッジにしてピン

世界の徽章文化を考察するブログ。というか、バッジが大好き。コレクションを紹介したり、バッジに関する情報を考察したり。実用性皆無、実生活への寄与度ゼロ保障のブログです。

日本 石川県会議員徽章

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先日、北陸地方に旅行に行ってきた。金沢周辺に泊まり、レンタカーであちこちめぐってきたところだ。
私にとってはあまりこれまで縁のない地だったこともあり、いろいろおもしろい体験ができた。見逃してしまったところもあるので、できればいつかぜひまた行きたい。

ブログに掲載できるネタは旅先では見つけられなかったので、手持ちのコレクションの中から関係のありそうなものを紹介しよう。
石川県会議員徽章」である。バッジ裏面にそう文字がある。

このバッジ、「徽章」と書いてあるのが少し私の気を惹いた。
この種の議員バッジでは、これが「記章」であったり「き章」であったり、表記方法はまちまちである。なぜかと言えば、おそらく「徽」が常用漢字ではないせいだろう。
例えば「拉致事件」なども同じで、以前は新聞でも「ら致事件」と表記されていたものだ。
「徽章」の場合は、ひらがなに変えた「き章」表記と、「徽」と音が似ている「記」を当てて「記章」表記の2種類が生じたと思っている。ちなみに国会議員のバッジは、「議員記章」とするのが正しい表記となっているが、字源からすれば「徽章」のほうを正統とすべきだろう。
なお、「徽」には「シルシ」という他に、「美しい」という意味があるそうである。それに比べれば「記」などはずっと雑なイメージしか感じられず、私はバッジを「記章」と書くのにはかすかな抵抗がある。「徽章」とするほうが、ずっと洗練されている。小さくもきらりと輝く美しいバッジにふさわしいではないか。

それはさておき、この一品、県議会バッジとしては、けっこう斬新なデザインといっていいだろう。陳腐な議員バッジとは一線を画している。材質は銀で、6か所縁に小さな穴をあけているのがアクセントになっている。
中央には金メッキで石川県の「石」の字、その周りは・・・一見、どこかの家紋のように見える。加賀前田家なら有名な梅紋があるが、これは明らかにそれとは異なり、いまだにこれが何なのかが不明なままだ。他県では議員バッジに県章を用いているケースが多いが、石川県には県旗はあっても県章はない(県旗とも全くデザインは違う)。
過去には県章代わりに使われていた意匠であったのかもしれないと思いつつ、正体は不明。

どなたかご存知の方がいたらぜひ情報をお寄せください。

こうした全金属性の県議会バッジは、他県の例からして、昭和30年ころのものと推測している。