これまでも何度も触れてきたように、日本では徽章文化そのものが衰退の一途を辿っている。徽章文化の発達する社会というのは階級制を色濃く残した社会であって、世の中がフラットになればなるほど、徽章という社会的アイテムの役割は減少していく、と私は考えている。
したがって、このような社会というのは、つまり社会的抑圧がより少なく、住みやすい社会といっていい。ところが、一バッジコレクターとしては、非常につまらない、おもしろくない環境で、矛盾も甚だしいことは自覚している。
したがって、このような社会というのは、つまり社会的抑圧がより少なく、住みやすい社会といっていい。ところが、一バッジコレクターとしては、非常につまらない、おもしろくない環境で、矛盾も甚だしいことは自覚している。
しかし、徽章文化の衰退が著しい日本にあって、政治家業界はかなり異質である。権威を非常に重んじる業界だからであろう。議員は常日頃議員記章を胸につけているが、それだけではない、永年勤続記念でも特別の記章をもらうことになっている。
市議会では、勤続10年以上になると、以後5年ごとに全国市議会議長会から賞状と副賞としてバッジが贈られる。
中央に、色石がはめ込まれるのが特徴で、15年以上でルビー、20年以上でスピネル、25年以上でジルコン、30年以上でゴールデンサファイア、35年以上でエメラルド、40年以上でアメジスト、45年以上でガーネット、ということになっているらしい。
さすがに、時代錯誤とか無駄遣いとか批判も多くなってきたようだが、今のところまだこの制度は健在である。
中央に、色石がはめ込まれるのが特徴で、15年以上でルビー、20年以上でスピネル、25年以上でジルコン、30年以上でゴールデンサファイア、35年以上でエメラルド、40年以上でアメジスト、45年以上でガーネット、ということになっているらしい。
さすがに、時代錯誤とか無駄遣いとか批判も多くなってきたようだが、今のところまだこの制度は健在である。
たまに市場に出回ることがあるが、基本的にそれほどおもしろいものではないのと、その割に高いので私は手を出してこなかった。このたび、たまたま15年のモノが手に入ったので紹介しよう。
画像のバッジは、勤続15周年記念のルビーバッジである。
中央の赤い石はルビー、ということになっているが、どういう性質のものかはわからない。ルビーといってもピンからキリまであるのである。
バッジの裏面には、「表彰記念」の文字が見える。
中央の赤い石はルビー、ということになっているが、どういう性質のものかはわからない。ルビーといってもピンからキリまであるのである。
バッジの裏面には、「表彰記念」の文字が見える。
このバッジは箱付きで、フタ裏に貼られたシールから、製造は文京区の有名徽章メーカー「名川徽章製作所」であることがわかる。桐箱のフタ表面には「表彰記念 全国市議会議長会」の金文字がある。
それにしても、石の順位付けがよくわからないな・・・赤(ルビー)→赤(スピネルは赤でいいのか?)→白(ジルコン)→黄色(ゴールデンサファイア)→緑(エメラルド)→紫(アメジスト)→赤(ガーネット)・・・ということだと思うが、はて、どれが上位なのか一見して全然わからない。
ともあれ、政治家業界では、いまだに不思議な価値観が存在していることを感じさせる。