入手時は正体不明だったこのバッジ。ようやく判明したので、備忘録として残しておこう。
桐紋に羽の生えたようなバッジで、裏面に「航空章」とだけある。オリジナルの黒漆箱の裏には「逓信省」。逓信省が出した航空関連ものらしく、航空に関する何らかの功労章的なだろうと漠然と思っていた。しかし小さいバッジながら存在感のあるバッジだなあ・・・と入手したものである。
逓信省令第31号(昭和11年8月27日)で定められた改正「航空奨励規則」第3条に次の記述がある。
航空機ノ乗員ニシテ多年運航ニ従事シ技術抜群ナルモノニハ航空章ヲ授与ス
航空章ノ制式ハ別図ニ依ル
航空章ハ左胸上部ニ之ヲ佩用スルモノトス
なるほど、まず授与対象は「航空機ノ乗員」であり、要件は「多年運航ニ従事シ技術抜群ナルモノ」と規定されている。一種の功労章といえる。
航空機乗員向けでありながら、あくまで民間用であり、軍事関係ではないのがちょっとユニークである。