北朝鮮の最高指導者、金正日が中国を訪問し、今日北京から帰国したという。9日間に及ぶ中国訪問は、これまでの最長だそうだ。
訪中の目的は、ニュースで報じられているように、アメリカによる経済制裁の対応協議と、中国の改革開放の状況視察らしい。
まあ、すでに北朝鮮は中国にならった経済特区の設置と外国資本導入を図ったことがあったが、その成果は期待倒れに終わったという事実がある(新義州、羅津・先鋒経済貿易地帯、金剛山観光地、開城工業団地など)。
今さら、経済視察というのも、あんまり意味がないんじゃないかという気もする。結局、もっと根本的な問題だよね。
経済問題の解決は、国体の護持=金政権の維持に致命的な影響を与える。
政権維持という至上命題と、経済問題解決という手段は矛盾する。
よって問題は解決できない。証明終了。・・・
金正日は、金日成個人崇拝体制を確立した、いわば国家的プロデューサーであり、その実績と金日成の実子という権威が彼を次期指導者の地位につけた。。国民が指導者のバッジをつけることを慣習化させたのも、その一環であったろう(もちろん、中国の文化大革命の影響を忘れてはならない)。
最近、北朝鮮では金正日バッジの製作が中止されているともいう。本人は一歩引いて、父の権威を前面に出すことで国際社会の矢面に立たされることを回避しようとしているようにも見える。
今日、金正日の訪中時の映像を見たら、なんだか胸にバッジをつけていたが、不鮮明でなんのバッジかまでは確認できなかった。