徽章はバッジにしてピン

世界の徽章文化を考察するブログ。というか、バッジが大好き。コレクションを紹介したり、バッジに関する情報を考察したり。実用性皆無、実生活への寄与度ゼロ保障のブログです。

北朝鮮 切手に登場した勲章、奨章類(2012年)

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私は北朝鮮関係のバッジ、メダル類に関心を持ってきたので、それなりに資料は集まっていると思うのだが、いずれも古い時代のもので、金日成亡き後の情報というのは実は乏しい。
だから、今回紹介する切手には少し驚いた。おおっなんじゃこりゃ!?と思ったのだった。

ついでに言うと北朝鮮の切手についてもまったく興味の対象外であり、画像の切手がホンモノかどうかもわからない。まあニセモノとしても、その対象となるホンモノが存在しているはずなので、そういう前提で話を進めさせてもらう。

2012年に発行された北朝鮮の切手4種である。
「主体101(2012)年6月20日改定」と、その下の「朝鮮切手 主体105(2016)DPR KOREA」の文字は共通である。
おもしろいのは、ここでは勲章・奨章そのものがデザインの中心になっている。さらに、画像ではよく見えないが、この切手にはエンボス加工が施されていて、勲章・奨章が立体的に見えるように工夫されている。

左上は70ウォンの金日成勲章、右上は50ウォンの金日成、左下は30ウォンの金日成青年栄誉章、右下は10ウォンの金日成少年栄誉章である。
すべて共通の金日成肖像(ネクタイ・スーツで笑顔の)が採用されている。これは現在北朝鮮で最もメジャーな金日成肖像である。肖像部分以外には、旧版とのデザイン上の違いはなさそうである。

ここで、少し時系列を整理してみよう。
1994年7月:金日成死去
2000年代初めの頃:現在と同じタイプの金日成肖像の金日成バッジ登場(というか私が初めて確認したのがこの頃)
2011年12月:金正日死去、金正恩が事実上の最高指導者となる
2012年2月:金正日勲章、金正日賞、金正日青年栄誉賞、金正日少年栄誉賞制定
2012年春頃:金日成金正日の2人バッジ登場(というか私が初めて確認した)

つまり、「笑顔の金日成」への改定は、金正日時代に「単独バッジ」にも行われているが、この切手における「改定」は、金正恩時代になってから金正日の勲章化と対になって行われたものと言える。
よくわからないのは、「2012年6月改定」とあるのに、なぜかこの切手の発行は2016年となっていることである。このタイムラグは何なのであろう?

ちなみにこの4種、新タイプの発行数は不明なので、旧タイプで言えば、コレクターとして入手困難なのは断然、「金日成章」である。私も実物はまだ見たことがない。

まあ、今後は新しい金日成勲章なども少しずつ出回っていくのであろうが、旧版との差がほとんどない上肖像も形式化されてしまい、コレクションとしては面白味に欠ける。

それにしても、ずいぶん前から金正恩バッジが登場したという話はあったが、一向に実物の情報が出てこないなあ・・・