徽章はバッジにしてピン

世界の徽章文化を考察するブログ。というか、バッジが大好き。コレクションを紹介したり、バッジに関する情報を考察したり。実用性皆無、実生活への寄与度ゼロ保障のブログです。

北朝鮮(中国製) 金正恩バッジ

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どうも北朝鮮のニュースというのはしばらく聞かなくなった・・・と思うと突然ドドーンと衝撃的なニュースが出てきたりして、振幅が激しい。金正恩に次ぐ権力者として知られていた張成沢が、失脚したという。どうも国内で激しい権力闘争が起きている様子だ。
張成沢といえば、金正恩の後ろ盾となっていた人物で、改革開放路線の支持者であったという。北朝鮮の政局が大きく動く可能性が高く、しかも日本にとっては、好ましくない方向に進むかもしれない。

さて、その北朝鮮の現最高指導者、金正恩第一書記。
画像のバッジを見て、おおっ!と思った人はちょっと待って欲しい。フェイクである。

金正恩バッジは、すでに作製され、一部高級幹部に配付されているという情報はあるにはあるが、現物は確認されていない(下記【関連の既出項目】を参照のこと)。少なくとも、メディアに公開されているモノはない。実のところ、本当にあるのかどうかもわからないといっていい。
金正恩はまだ若く、後継者指名されてからも日が浅い。誰もが認める実績もまだなく、祖父、父の権威に頼っているのが現実だ。個人的には、仮にすでに金正恩バッジが存在していたとしても、公の場に現れるまで、まだまだ時間はかかるだろうと見ている。

このバッジは、中国国内で作られたモノである。すでに作られていた金日成金正日のニセバッジと同じツクリで、製作所が同じであることがわかる。
よく見ると、バッジの枠と写真のパーツの形がずれている。端に隙間が生じ、外れかかって浮いているように見える。また、肖像自体も何だかピントがぼけ、パソコンで取り込んだ画像をプリントしたような不自然な色合いである。絶対にホンモノではあり得ない。

実は、朝鮮との国境にある中国の都市では、かつてその筋からのお達しで、「他国の指導者のグッズを勝手に作ってはならない」という趣旨の注意がされたことがある。中朝国境では、韓国人や日本人などの外国人観光客にとって、北朝鮮から直輸入された様々なグッズが、格好のみやげ物になっている。金日成金正日のバッジも定番のみやげ物だ。
あからさまにそうしたものが売られるのは、中国当局としても好ましからざる事態だったのだろう。「他国指導者の尊厳を貶めてはならない」とかなんとか、そんな内容であったように記憶している。もっともその通知もどこまで浸透していたのかわからないが、こうして金正恩バッジまで無事に生産されているところを見ると、どこまで実効性のある通知であったか、推して知るべしというべきだろう。

それにしてももしあるなら、金正恩バッジ、ぜひホンモノを見てみたいものだな・・・

【関連の既出項目】
金正恩バッジ、製作開始?