徽章はバッジにしてピン

世界の徽章文化を考察するブログ。というか、バッジが大好き。コレクションを紹介したり、バッジに関する情報を考察したり。実用性皆無、実生活への寄与度ゼロ保障のブログです。

北朝鮮 千里馬勲章

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一昨日から3夜連続で放送されたNHKの「ドキュメント・北朝鮮」はおもしろかった。なんといっても歴史的な映像が数多く紹介され、思わず身を乗り出すようなカットがたくさんあった(特に初日)。

旧ソ連、東独といった旧社会主義圏の崩壊により公開された情報や関係者の証言が数多く登場し、歴史的なフィルムも交えて興味深かった。
戦後、ソ連に忠実な人物を38度線以北の朝鮮半島指導者にするため、ソ連によって担ぎ出された金日成
しかし、やがては彼を担ぎ出した当のソ連関係者からですら「北朝鮮は常に我々の頭痛の種だった」と言われる状態に陥ることになる。
無謀な朝鮮戦争、国内の経済破綻、国際社会にたいする政治的挑発とテロ行動、そして金日成から長男金正日への権力委譲、核開発・・・。

さて、今日紹介する画像は千里馬勲章である。
朝鮮戦争での南北統一に失敗した北朝鮮は、やがて大規模な経済発展を目論んだ計画を1950年代後半からスタートさせる。これが千里馬運動である。
まあソ連の5か年計画や中国の大躍進運動みたいなものだ。社会主義の先輩国家を意識して、重工業発展に重点的に国力を傾注したが、結果から言えば失敗で、やがて韓国との経済格差は埋めようもないほど開いていくのである。

こういう運動のシンボルに、伝説の「千里馬」を持ってくること自体が朝鮮の独自性というか、ソ連や中国との違いを強調したいという意識を感じるのだが、どうだろうか。

ちょっと保存状態が良くないのが惜しいが、最近北朝鮮の勲章は数多く出回っていた珍しくもなくなったが、これは意外に入手しにくい勲章のひとつである。私も手元にあるこれ以上程度の良いものはいまだにお目にかかったことがない。
赤星と光芒、歯車、稲穂、赤いリボンという社会主義国定番の意匠。中央の羽を広げて今にも空に飛び立とうとする千里馬と男女の朝鮮人民は、平壌の千里馬記念像とまったく同じデザインである。