徽章はバッジにしてピン

世界の徽章文化を考察するブログ。というか、バッジが大好き。コレクションを紹介したり、バッジに関する情報を考察したり。実用性皆無、実生活への寄与度ゼロ保障のブログです。

北朝鮮 建国10周年記念バッジ(1958年)

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このところ連日北朝鮮ニュースで盛り上がっている。ミサイル発射に核実験と、挑発的軍事行動が急速に活発化しとどまるところを知らない勢いだ。各兵器を持った北朝鮮に対して、強硬策も慎重にならざるを得ず、アメリカでも北朝鮮との対話策が浮上してくるようでは、結局核兵器は持ったもの勝ち、というのが現実主義なのかと思わざるを得ない。
フセインが滅びたのは核を持たなかったせいだ」というのが北朝鮮の認識らしいが、それって結局正しかったということが証明されたわけだろうか?

さて、週刊誌やネット上では北朝鮮建国記念日である9月9日にICBMを発射するのでは、という「9.9Xデー説」が流れていたが、過ぎてみれば北朝鮮国内ではいつも通りにお祭り騒ぎをしていただけで、懸念された軍事活動は見られなかった。
いつも思うけど、この種の予想(予言に近いな)って当たらないねえ。

さて、そんなわけで今日は、北朝鮮の建国記念バッジを1日遅れで紹介しよう。
北朝鮮国旗に平和のハト、ソ連軍による解放を記念して建てられた記念建造物、「解放塔」が描かれている。下の「1948-1958」は、建国10年を意味する。
裏面には、ハングルで「朝鮮民主主義人民共和国 創建10周年記念」と書かれている。

この解放塔は1946年に建造されたもので、ソ連軍による38度線以北の日本からの解放を記念したもので、朝ソ友好のシンボルでもあった。
ところが北朝鮮ではカルト宗教的個人崇拝と民族主義が強調されるようになり、ソ連が日本から朝鮮(この場合は特に北部)を解放したという史実はどうにも都合が悪い。
金日成大元帥が日本を朝鮮半島から叩き出したという「建国神話」と完全に矛盾するからである。

といって社会主義国の総本山にして圧倒的軍事力を誇るソ連に対して、あからさまに否定することもできず、今では「解放塔」に関する史実はほぼ無視されているようである。いや、実際にはもうすっかり歪曲されているかもしれない。

このバッジに描かれているように、1958年当時はまだ朝ソ友好のタテマエが生きていたのだろうか。