徽章はバッジにしてピン

世界の徽章文化を考察するブログ。というか、バッジが大好き。コレクションを紹介したり、バッジに関する情報を考察したり。実用性皆無、実生活への寄与度ゼロ保障のブログです。

日本 帝国軍人後援会 有功会員徽章

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まもなくワールドカップ開催ということで、サッカーネタが盛り上がっている・・・みたいだけどあんまり私は関心がなくて、まあ始まればそれなりにテレビ観戦もするだろうが、もとよりスポーツ自体に関心の薄い私のこと、サッカー1試合最初から最後まで見ていられたタメシすらない。

それにしても、このまえのキリンカップではブルガリアには負けるは、スコットランドには引き分けるはで、前哨戦にしてもいささか景気づけにならない。こんなので大丈夫なのか・・・と、さぞ関係者の胸は暗くなったことだろう。

さて、何かサッカー関連バッジがないものか、と思ってコレクションケースをあさって、みつけたのがこれ。帝国軍人後援会の有功会員徽章だ。

日本サッカー協会のシンボルが3本足のカラスであることは有名だが、これは日本神話に登場する八咫烏(やたがらす)である。
神武東征のおり、熊野から大和まで道案内したという神話による。
日本サッカーの父ともいえる中村覚之助に敬意を表すため、出身地である和歌山県那智勝浦町にある熊野大社のこの八咫烏に因んだという。
古代中国の伝説でも太陽には3本足のカラスが住むとされ、このカラスは太陽のシンボルである。

すなわち、神武天皇の勝利のシンボルであり、太陽=日の丸のシンボルでもある。
このバッジでも、羽を高く掲げたカラスの背後に、太陽がデカデカと描かれている。

それにしても不思議だ。
なぜカラスなのか。それも、3本足という奇形の。
まあ双頭のヘビやカメの存在も稀には報告されることでもあり、3本足のカラスが絶対に存在しないとはいえないが、これらの神話が実在した奇形カラスを元に発生したとは思えない。

全身真っ黒のカラスは、不気味さと同時にある神秘な感覚を与える。
そしてこのヤタガラスは、通常の鳥に対して、「当然あるべきものの欠如=身体の模様の欠如」と、「なくて当然のものの付加=3本目の足」という、両方の異質性を同時に備えている。
また、柳田国男のひとつ目小僧論じゃないけど、当然あるべきものの欠如や、その逆のないはずのものの付加は、神秘な能力に通じるのである。

うん。
なかなかいいところ突いているような気もするけど、似たようなことをすでに指摘している人もいるかもしれないし、これ以上は自画自賛しても仕方ない。

でもシンボルとしてはとても面白いし、印象的で好ましい。不思議な奇形カラスのシンボルを胸に、日本チームは戦う。
善戦を期待したいものだ。