徽章はバッジにしてピン

世界の徽章文化を考察するブログ。というか、バッジが大好き。コレクションを紹介したり、バッジに関する情報を考察したり。実用性皆無、実生活への寄与度ゼロ保障のブログです。

日本 在日本朝鮮人総聯合会バッジ

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小さなニュースだが、おお、と思わせられたのがあった。
「民団と総連が和解へ、あすにもトップ会談 在日本大韓民国民団(韓国民団)と在日本朝鮮人総連合会朝鮮総連)は、結成から50年余り続いた対立関係を解消し和解するため、17日にも、東京・千代田区朝鮮総連本部で初のトップ会談に臨むことがわかった。(読売新聞 WEB版 5月16日)」

民団と総連と言えば、かつては流血のバトルを繰り広げた仲であるが、そうか、ついに和解か。いや、単なるトップ会談だけで、すべてのわだかまりが消えると信じるのは、いくらなんでも無邪気すぎる。
だけど、この一歩は確かに、間違いなく画期的な出来事ではある。

集団動物の習性かもしれないが、帰属する組織の主張を、遠く離れて場所が変わっても捨てられないのが人間らしい。南米に移民した日本人社会には、終戦後も日本が戦争に勝ったのだと信じる派と日本敗戦を主張する派で悲惨な争いがあったし、日本の華僑社会も国民党・共産党両派で政治的対立を起こした。
はたから見れば、なぜ仲間内で争うのかと批判もしたくなろうが、国外に出るといっそう所属する国家への意識が高まるもので、同胞なんだから仲良くしようぜとはなりにくいのが現実だ。

いやむしろ、本国における対立や不和が、国外においてはいっそう増幅され先鋭化するものであるらしい。残念ながら。
民団と総連の対立も、本質はそこにあるのではないかと思う。

さて、ところで今日のバッジだ。
バッジの中には何の目的でこんなモノを作ったのかと意味不明なものがたまにあるが、これもそのひとつかもしれない。
北朝鮮国旗に囲まれたビル(総連本部のビルか?)、下には「在日本朝鮮人総連合会」の文字。
成立何周年記念などといった、記念品の類だろうか。
そうかもしれないが、説明もなく、しかもただ殺風景なビルだけを描いたバッジで、かなりしっかりした大きめのバッジだけに、なんだかナゾである。なぜこのような美しくもないもの(ただのビル)をわざわざバッジに描いたのか。

不思議というか、なんだかヘンなバッジである。