徽章はバッジにしてピン

世界の徽章文化を考察するブログ。というか、バッジが大好き。コレクションを紹介したり、バッジに関する情報を考察したり。実用性皆無、実生活への寄与度ゼロ保障のブログです。

イギリス 帝国シンボルバッジ

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おそらく20世紀初期のイギリス保守系団体のバッジである。
「連合帝国 我々のものを維持する」というのは、帝国の一体性のアピールというか、要するに植民地はオレたちのものだ!ということが言いたいのだろう。

おもしろいのが、各地の植民地をそれぞれ固有の動物で示しているところだ。
王国のシンボル王冠を冠した国旗の中央にデンと構えているのはブルドッグ。イギリスのシンボルがブルドッグというのはちょっと私にはピンと来ないのだが、調べてみれば確かにブルドッグはイギリスの原産なのであった。
このバッジでは、ブルドッグだけが別パーツとなっていて浮き上がっている。

さて、その他の動物を見ていこう。
左上にいるのはカンガルーだろう。つまりオーストラリア。
右上はツル?かと思ったが、ツルから連想される国は思いつかない。フラミンゴ? とすればアフリカ・・・南アフリカか、ケニアあたりか。
右下はゾウ。インドである。
左下は・・・ビーバー? とすればカナダか。

気がついたのが全体の形で、円形のバッジの中に5弁の花状に透かし彫りが施されている。この形・・・ひょっとしてプリムローズ・リーグ
このバッジがイギリス保守団体のプリムローズ・リーグのものかもしれない。植民地独立反対の主張といい、その可能性は高いような気がする。

ともあれ、可愛い動物たちの意匠と、植民地独立反対!という、今からすればちょっとえげつないスローガンの対比がなんだか興味深い。
バッジ自体は非常によい出来です。