徽章はバッジにしてピン

世界の徽章文化を考察するブログ。というか、バッジが大好き。コレクションを紹介したり、バッジに関する情報を考察したり。実用性皆無、実生活への寄与度ゼロ保障のブログです。

モンゴル ツェデンバル・バッジ

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肖像バッジの話を続ける。

画像のバッジは、やっぱりなにも文字がないが、正体が判明しているもので、モンゴル人民革命党の指導者ツェデンバルのバッジである。
某サイトで、このバッジが金日成バッジと紹介されていたことがあって驚いたが、確かにまあ雰囲気は似ていないこともない。バッジのデザインもそっくりだし。

ツェデンバルは、中ソ対立の最も激しい時代を生きた政治家で、その危機を彼はソ連寄りの政策をとることで乗り切ったといっていいだろう。
か弱いモンゴルという国にしてみれば、ソ連と中国という超大国は、常に北と南からその巨体でもって押しつぶそうとしてきたのだ。モンゴルの政治家にとっては両国の力関係を利用しつつ、国の独立と発展を保とうと画策するのが常に至上命題なのであった。

なんと苦しい立場であることか、としかいいようがない。
ツェデンバルの親ソ姿勢は批判されるが、時代を思えば一定の理解を示さざるを得ないかもしれない。

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これはツェデンバル夫妻の写真だが、妻はロシア人である。最高指導者といえど、私生活からして、他国への忠義を示さなければならなかったのかと思わざるを得ないが、チョイバルサンもロシア人を妻としたのだった。

それにしても、これすごい勲章の数だな~!
左胸にはスヘバートル勲章だけで5個、レーニン勲章が3つ見える。右胸には、チェコ北朝鮮、ユーゴ、キューバ東ドイツなど各社会主義国の最高位クラスの勲章がズラリ。・・・

後々批判は残したが、ツェデンバルはともかくも畳の上(ゲルというべきか)で死ぬことができた。
かの国の革命の先達たちを思えば、それだけでも十分幸せだったと思う。