徽章はバッジにしてピン

世界の徽章文化を考察するブログ。というか、バッジが大好き。コレクションを紹介したり、バッジに関する情報を考察したり。実用性皆無、実生活への寄与度ゼロ保障のブログです。

番外 「某航空幕僚長論文」に見る勲章の話

3連休中日の今日もすばらしい秋晴れに恵まれた。朝夕は少し冷え込むようになってきたものの、日中のすがすがしさを感じながら、、私は何の予定もなく家でごろごろしている。

ところで例の(元)航空幕僚長の論文問題。削除される前に保存しておこうと、サイトからダウンロードしておいた。わずか9ページほどと短く、しかも思ったよりもかなり簡単な内容の論文である。
まあ正直に感想を言うと、どの部分をとってもいつかどこかで読んだことのある話であり、期待していたほどの新味はない
これで賞金300万円也・・・。

政府が中国や韓国の反発に配慮して幕僚長を更迭した、と大方は受け止められているようだが、実際論文を読んでみると、日本はアメリカにはめられたのであり、真珠湾攻撃ルーズベルトの罠であり、東京裁判は日本をマインドコントロールに掛けた、などとはっきり書いている。
航空自衛隊のトップが最大の同盟国に配慮もせずこんなこと書いていいんだろうか、と私はそっちの方が心配になる。政府をあわてさせたのは、アメリカの反発の方だったのではないかと、私はひそかに疑っている。大統領選をひかえたアメリカに対して、余計な刺激を恐れたのでは?

まあ、当ブログでは政治問題は関係がない。論文中に登場する勲章について取り上げておく。
論文中、いかに日本が満州・朝鮮・台湾の人々を平等に扱っていたかという話の中で、日本軍の韓国人将校、金錫源大佐に触れている。
そして、「その軍功著しいことにより天皇陛下の金賜勲章を頂いている。」とある。

・・・天皇陛下の金賜勲章」って何だ
もちろん、金賜勲章というのは金鵄勲章の誤変換であろうが、この文脈でこうしたミスをさらすのはちょっと恥ずかしい(金錫源は、功三級金鵄勲章を授与されている)。確かにワープロソフトで「」の字は出しにくいけど。

それに、「天皇陛下」というのも考えてみればちょっとナゾだ。天皇の勲章でない勲章が日本に存在するのか。
わが国の勲章というのは、金鵄であろうと旭日であろうと、また戦前だろうと21世紀の現在であろうと、種類・等級・時代を問わずすべての勲章は、天皇が与える栄典である。例外はないのだ。
だから、今もすべての勲記には、「日本国天皇は誰々に何々を授与する」と書かれている。

うーん、自衛隊の人って、勲章に対してあんまり関心ないのかなあ。
重箱の隅をつつくようで恐縮だが、論文の内容はともかくとして、この部分に引っかかってしまう私は、現代ニッポンの軍人さんなんだねえという感じをどうしても受けてしまう。
まあ平和にこしたことはないからいいんだけど。