徽章はバッジにしてピン

世界の徽章文化を考察するブログ。というか、バッジが大好き。コレクションを紹介したり、バッジに関する情報を考察したり。実用性皆無、実生活への寄与度ゼロ保障のブログです。

秋の叙勲の日・・・「叙勲・受章者の上京案内」!

今日文化の日は、秋の叙勲の日である。今朝、受章者名が各紙地方面を飾ったのをご覧になっただろう。

まあ私にはまず縁がないが、実際に叙勲されるとどういうことになるのだろうか。その実際はちょっと気になるところである。

いま手元に「叙勲・受章 心からお祝い申し上げます」(平成12年秋 日本叙勲者顕彰協会)という、記念品カタログの本がある。
金をもらってもほしくない記念グッズが満載で、目をむくようなグッズがこんな大量に作られているということ自体が相当驚きなのだが、ひとまずそれは置いておく。
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この本には、叙勲・受章者への案内が冒頭に書かれてあって、これが結構おもしろい。
「叙勲・受章者のご上京に際して・・・ -二泊・三日のご予定のあらまし-」である。

「このたび晴れて叙勲・受章の栄に浴されました皆様方は、伝達式と皇居参内のためご上京されますが、地方からご上京される場合、二泊三日のスケジュールをお立てになるのが最もよろしいかと存じます。」
とあって、その流れが以下のように説明されている(都内事情に不慣れな地方の高齢者を対象に書かれていると思われる)。

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第1日目
1 羽田に到着
(モーニングなどは予め宅急便でホテルお送りください。身の回り品が少なくてすみます。)
2 九段のホテルグランドパレスに到着
(羽田よりタクシーで約40分。伝達式会場、皇居に至便です。)
3 フロントでチェックインの手続き
(略)
4 奥様の貸衣装の下見
(色柄とも豊富にご用意してあります。小物の確認・明日の予約時間確認)
5 和食堂「千代田」で夕食
(略)
6 部屋でくつろぐ
(バス・トイレ付きのツインベッドルームです。なお、浴衣も備え付けてあります。)

第2日目
7 朝、はやめに美容室
(予約が必要です。ホテル出発の1時間前が目安です。)
8 着付け
(美容と着付けの所要時間は両方で40分くらいでいづれも時間の予約が必要です。)

・各ホテル前にタクシーが常駐しています。
・ホテルより各省庁(伝達式会場)10~15分位です。

9 伝達式
 (各省庁及びその付近の会場(国立劇場等)で行われ、午前10時頃の集合が多いようです。)
10 皇居参内
(坂下門より参入し、豊明殿で陛下に拝謁、記念撮影、皇居参観をして乾門でバスに乗り東京駅で午後4時頃解散。)
11 記念撮影
(略)

第3日目
12 靖国神社参拝
(グランドパレスより徒歩5分のところにあります。靖国神社向かいの北の丸公園も散策に絶好です。

13 日本叙勲者顕彰協会
靖国神社の坂を下りて3分。九段下交差点角大橋ビル4階にあります。ぜひお立ち寄りください。)
14 協会常設展示場
(大橋ビル4階。カタログ掲載の全商品が、展示してございます。手にとってご覧下さい。)
15 記念品のお持ち帰り
(その場でお名入れ、放送、のし掛けをしておみやげにお持ち帰りできる記念品を、多数用意してございます。)
16 帰郷
(すぐ必要でないモーニング等手荷物は協会にお立ち寄りの際ご依頼下さい。宅急便でご自宅までお送りできます。) 
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いかがだろうか。具体的な注意書きが、いちいちリアルだ(笑)。
なお、3日目の流れは完全に記念品販売の宣伝であり、なんで靖国神社に参拝するの?と思ったら(別にしてもかまわないが)、この叙勲者顕彰協会に誘導するためなのである。

しかし、考えてみれば叙勲者は軒並み70歳以上の高齢者ばかりである。特に式の行われる日は、事前の準備と約2時間、朝10時集合で、解散は午後4時。その間、伝達式が行われたり皇居参内したりと、かなり体力的には厳しいのではなかろうか、とちょっと心配になる。彼らを出迎えねばならない担当者の苦労がしのばれる。

なお、この本にはその他、勲章の豆知識、ホテルの案内、祝賀パーティーの事例など、さまざまな内容が盛り込まれていて、単なる記念品カタログにとどまらないおもしろさである。

それにしても、世の中いろんなビジネスがあるものだ・・・と呆れるやら感心するやらだ。