徽章はバッジにしてピン

世界の徽章文化を考察するブログ。というか、バッジが大好き。コレクションを紹介したり、バッジに関する情報を考察したり。実用性皆無、実生活への寄与度ゼロ保障のブログです。

中国 孔子生誕2500年記念章

イメージ 1

ノーベル平和賞を巡る中国の騒動は予想どおりとは言え、中国側が「孔子平和賞」を創設して対抗したのにはさすがにあきれた。しかも受賞者が台湾の国民党元主席の連戦というのも、何と言っていいのやらという気分になる。これ、来年は誰が選ばれるんだろうね?

しかも気になったのが、単に「国際平和賞」とかじゃなく、「孔子平和賞」などという名称。この、いかにもな歴史大国意識がにじみ出ている名称が、私としては賞の内容云々より、まず閉口させられる。最近ハヤリの「孔子学院」もそうだけど。

というわけで、今日はちょっとヤケな気持ちで孔子のバッジでも紹介しよう。
表面上部に、「会員章 孔聖肖像」、裏面に「恭祝降生二千五百年 孔聖会会員章」と書かれてある。
やけにしわとひげの多い肖像だが、もちろんこれは孔子であろう。

さて、孔子の誕生年月日は、西暦紀元前551年9月22日とされているそうだ。
ということは、生誕2500年記念祭は、1949年9月22日に行われたのであろうか。あるいは数え年であれば、この前年ということになる。ともかく、このバッジは、その頃製作されたことになる。
しかし、この頃中国はまさに激動のまっただ中であって、中国共産党主席の毛沢東中華人民共和国の建国を宣言したのが、1949年の10月1日であった。

中国共産党にとって、封建制の土台となってきた儒教などというものは、共産党イデオロギーに全く相容れない消滅させるべき敵そのものであった。文化大革命中の宗教家・宗教施設の攻撃は言うに及ばないが、共産党にとって儒教が許し難い存在であったのは間違いない。
とにかく、共産党支配の世の中になって、儒教がさらに肩身の狭い存在になっていったのである。このバッジを製作した儒教団体「孔聖会」も、そのまま安泰で存続できたとはとても信じられない。

それが今や、共産党政府からし孔子バンザイの風潮が公然とまかり通っているのはどうしたことか。この一事を見ても、中国が本質的に共産主義からかけ離れた単なる開発独裁国家になっているといっていい。

儒教への弾圧が大いに問題があるにしても、あまりに孔子バンザイとおおっぴらにやられるのもちょっと困ったものだと感じるのだが・・・とにかく、今年は中国関連ニュースがものすごく多かったね