手元に何枚か孔子関連バッジがあるので紹介しよう。
こちらはきれいに七宝で彩色されたなんだか可愛らしい孔子様。製作時代は中華民国期のものである。
「至聖先師」とは、孔子に対する尊称。
裏面には、「礼教 朝陽宣講 総会会員」とあって、中央に大きく「忠恕(=誠実で、思いやりのあること)」の文字。シリアルナンバーも入っているから、メンバーシップバッジとしての性格が強いものと思われる。
まあ正直、私は儒教に受け入れがたいものを感じるときはあるのだが、とやかく言うまい。革命の時代はもう過ぎたのである。
恐らくこの徽章は1930年代のものと推測しているが、キリスト教の「イコン」メダルの中国版といえよう。私はあまり宗教系バッジは関心がないのだが、北京の骨董市で、状態の良さと多彩な七宝仕上げに目を惹かれた。今でも割と気に入っているバッジのひとつである。